企業の財務状況を判断するための指標として
下記のような指標があります。
- PBR(株価純資産倍率)
- PER(株価収益率)
今回は【PBRとPERの違い】について解説します。
PBR(株価純資産倍率)とPER(株価収益率)
PBRとPERは、どちらも
株式投資の際に用いる指標です。
会社の資産や利益に対して、
「株価が割安か?割高か?」
を判断するものになります。
割安株と割高株
【割安株】
会社の資産や利益に対して、株価が低いことを
割安株といいます。
割安株は「バリュー株」とも呼ばれています。
【割高株】
会社の資産や利益に対して、株価が高いことを
割高株といいます。
PER・PBRを活用する場面は主に株式投資になります。
PBR(株価純資産倍率)とは?
PBRとは「Price Book-value Ratio」の略で、
「株価純資産倍率」という意味になります。
PBR(株価純資産倍率)は
「株価」を「1株当たり純資産」で割った値
になります。
計算式
PBR(株価純資産倍率)の計算式は下記になります。
PBR=株価 ÷ 1株当たり純資産
PBRのポイント
PBRは、株価の割高・割安を見る指標になります。
「株価が、1株当たりの純資産の何倍になるか」
を示しております。
PBRが低ければ割安株とされております。
純資産とは?
純資産は貸借対照表に表示される項目で
資産から負債を差し引いた金額になります。
純資産= 資産 ー 負債
PBRの目安となる数値
PBRは一般的に1倍を下回ると
割安とされています。
2022年7月の上場企業のPBRの平均値は1.6倍でした。
PER(株価収益率)
PERとは「Price Earnings Ratio」の略で、
「株価収益率」という意味になります。
PER(株価収益率)は
「株価」を「1株当たり当期純利益」で割った値
になります。
計算式
PER(株価収益率)の計算式は下記になります。
PER=株価 ÷ 1株当たり当期純利益
PERのポイント
PERは、株価の割高・割安を見る指標になります。
「株価が、1株当たりの当期純利益の何倍になるか」
を示しております。
PERが低ければ割安株とされております。
当期純利益とは?
当期純利益とは、損益計算書に表示される項目で
会社の最終的な利益のことを指します。
PERの目安となる数値
PERは一般的に15倍を超えると割高、
それを下回ると割安とされています。
2022年7月の上場企業のPBRの平均値は23倍でした。
PERとPBR、どちらが重要か?
PERとPBRはどちらも
「割安株」「割高株」を判断する指標です。
それは下記のようになります。
- 株式投資ではPERが重要となる
- PBRの指標となる「純資産」
- PERの指標となる「当期純利益」
当期純利益は、短期間で大きく変動しますが、
純資産は短期間で大きく変動しません。
企業の現在の業績を見る場合は、
当期純利益を見ることが適しているためPERの方が重要と言えます。
補足
PBRは、解散価値を計るための指標となります。
そのためPBRが1倍を下回る場合は、割安株となります。
この原因が単に株価が低いということであれば「買い」ですが
赤字が続いており、純資産が減少している場合は
非常に危険なサインになります。
この場合、さらに株価が下がってしまう恐れがあるため注意する必要があります。
株式投資におけるPERとPBR
PERとPBRは株式投資に用いる指標です。
簡単に言えば「この株を購入しても大丈夫か?」を判断するための指標です。
株式投資は
安い時に株を買い、高くなった時に売ることで
利益を得るキャピタルゲインがあります。
キャピタルゲインを狙うため
安い株を探すのにPERとPBRが用いられます。
この割安株を「バリュー株」とも呼びます。
PERとPBRが低いということは
業績が高いわりに株価が安いという判断になります。
安い時に買えば、今後株価が上昇して、利益を得られる可能性があるということです。
このようなを目的として株式投資ではPERとPBRが使われます。
ただし割安株が必ずしも今後株価が上がるとは限りません。
割安のまま株価が上がらないケースもあります。
市場区分におけるPERとPBRの平均値
現在の市場区分は下記に3つに区分されます。
- プライム市場
- スタンダード市場
- グロース市場
※2022年4月に市場区分が下記のように変更されました。
東証一部上場は現在は「プライム市場」と呼ばれています。
グロース市場におけるPERとPBR
PERとPBRの平均値は下記のように
市場区分によって大きく異なります。
市場区分名 | PER | PBR |
---|---|---|
プライム市場 | 19.3倍 | 1.6倍 |
スタンダード市場 | 15.7倍 | 0.8倍 |
グロース市場 | 62.1倍 | 4.2倍 |
グロース市場は他の市場と比較して
PERとPBRが非常に高い値となっております。
つまり割高株ということです。
グロース市場は規模や経営基盤の小さいベンチャー企業が中心で
プライム市場などの大企業と比べると
利益や業績も低いため、PERやPBRも高くなる傾向があります。
グロース市場は
今後、成長可能性が高い企業と言われており
このような企業の株を「グロース株」といいます。
グロース株は、割高株ですが今後
企業の業績に併せて、株価も上がると期待されている株で
このような企業に投資する投資家も多くいます。
PBR・PERの業種別の平均値
PBRとPERは業種によって大きく異なります。
業種別のPBR・PERの平均値は下記になります。
まとめ
今回は【PBRとPERの違い】について解説しました。
要点をまとめると下記になります。
【計算式】
- PBR=株価 ÷ 1株当たり純資産
- PER=株価 ÷ 1株当たり当期純利益
【英語読み】
- PBR→「Price Book-value Ratio」の略
- PER→「Price Earnings Ratio」の略
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