2025年4月2日、アメリカのトランプ大統領が「相互関税」の導入を発表しました。
この政策はすべての輸入品に一律10%の基本関税を課し、
さらに各国の関税率や非関税障壁を考慮して追加の税率を設定するものとなります。
また日本に対しては24%の関税が課されることが明らかになりました。
今回はこの【トランプ氏の相互関税】について解説します。
- 相互関税とは?
- 関税は誰が誰に対して支払うのか?
- なぜ関税が必要なのか?関税の目的
- トランプ氏の相互関税とは?
- トランプ関税の目的
- なぜ日本の追加関税は24%なのか?
- トランプ関税による日本経済への影響
- トランプ関税による日本の私生活への影響
- トランプ関税によってアメリカを得をするのか?
- 各国のトランプ関税の税率
相互関税とは?
関税とは簡単に言うと輸入品に課される税となります。

外国から商品を輸入すると関税がかかり、その分値段が上がるということです。
例えば100万円の商品を外国から輸入する場合
関税10%だと10万円値上がり、110万円支払うことになります。

相互関税は、自国と相手国でお互いに関税を課せることになります。
- 「関税」とは輸入品に課される税金
- 外国から商品を輸入すると関税がかかり、その分値段が上がる
- 「相互関税」とは自国と相手国でお互いに関税を課せること
関税は誰が誰に対して支払うのか?
関税は輸入者が輸入国に支払います。
- 関税を支払う人:輸入者
- 関税を支払う先:輸入国の税関
例えば日本の消費者が、外国の商品を輸入して仕入れた場合
日本の消費者が、日本の税関へ関税を支払います。

なぜ関税が必要なのか?
関税の主な目的は【自国の産業の保護】です。
- 関税の主な目的は【自国の産業の保護】
外国から安い商品がたくさん輸入されると
価格面で不利になってしまい自国の商品が売れなくなってしまいます。
これを防ぐため関税により価格を調整し自国の産業を守ることができます。

関税は自国の産業を守る役割があります。
トランプ氏の相互関税とは?
2025年4月に発表されたトランプ大統領が相互関税は下記のようになります。
【トランプ氏の相互関税】
- すべての輸入品に一律10%の基本関税を課す
- さらに各国の関税率や非関税障壁を考慮して追加の税率を設定する
- 日本には24%の追加関税を適用する。
- また上記とは別ですべての国からの輸入車に25%の関税が課される。
日本の自動車の場合には
- 乗用車:2.5%
- トラック:25%
の関税がかかっていましたが、これに25%の追加関税がされ
下記のように引き上げられます。
【トランプ関税による自動車関連の影響】
- 乗用車:2.5%→27.5%
- トラック:25%→50%
日本国内の200万円の乗用車をアメリカに輸出する場合、価格は下記のようになる。
- 今まで:205万円
※200万円×5%=205万円 - トランプ関税後:255万円
※200万円×27.5%=255万円
日本国内の500万円のトラックをアメリカに輸出する場合、価格は下記のようになる。
- 今まで:625万円
※500万円×25%=625万円 - トランプ関税後:750万円
※500万円×50%=750万円

これにより自動車メーカーはアメリカへの輸出による販売が落ち込んだり利益低下により業績悪化へ及ぼす懸念があります。
トランプ関税の目的
主な目的はアメリカ国内の自動車産業の活性化です。
アメリカでは自動車産業をはじめとしたメーカーの工場を
人件費の安い国へ移す動きが広がっていました。
これによりアメリカの雇用が失われてきたとトランプ氏は主張しております。
追加関税をかけることで、海外からの輸入を減少させ
アメリカ国内での生産を増加しようというのが目的です。

自国での生産を増やし雇用を活性化させるのが狙いのようです。
なぜ日本の追加関税は24%なのか?
その理由についてトランプ氏は下記のように主張しています。
アメリカにとっての非関税障壁を考慮した場合
日本はアメリカに対して46%の関税を課していることに相当するため
46%の数値の根拠は?
46%の数字の根拠はトランプ氏は述べておりませんが
アメリカの調査会社「ユーラシア・グループ」によると
貿易黒字から輸出額で割った数値なのではないか?と言われています。
2024年の輸出額および貿易黒字額
- 日本からアメリカへの輸出額:1482億ドル
- 日本にとっての貿易黒字額:684億ドル
- 貿易黒字額684億ドル÷輸出額1482億ドル≒46%
貿易黒字から輸出額で割った数値は約46%になります。
ただし「この算出方法は正しいものなのか?」と疑問に思う声もあります。
トランプ関税による日本経済への影響
まず一番影響が大きいとされるのが自動車メーカーです。
自動車関連企業への影響
日本からアメリカへの2024年の輸出総額は約21兆円となります。
そのうちか自動車関連による輸出額は下記のようになります。
- 自動車の輸出:約6兆円
- 自動車部品の輸出:約1.2兆円
つまり輸出額の3割以上は自動車関連になります。
また自動車関連の就業者は約558万人で全体の約8%です。
さらに自動車を製造するのに必要な部品や材料を扱っている
「鉄鋼」「科学工業」「電機」などの業界にも影響を及ぼします。

もし自動車産業が縮小すれば、それに関連する業界にも影響します。
それらを加味するとGDP(国内総生産)の約1割が該当し
全世界への輸出のうち約3割がアメリカへの輸出となると
日本経済への悪影響を免れないと言えるでしょう。
- GDP(国内総生産)の約1割は自動車およびそれに関連する企業
- 全世界への輸出のうち約3割がアメリカへの輸出
- 自動車関連の追加関税25%だけでも日本経済へ大きな影響を与える。
雇用や賃金への影響
自動車の追加関税25%となり、輸出する場合
下記のどちらかを選択する必要があります。
- ①追加関税分、輸出自動車の価格を値上げする
あるいは - ②価格は値上げせず、利益を減らす
②を選択した場合、価格に変動がないため販売台数に影響はありませんが
追加関税分のコストがかかり、利益が減少することになります。
①を選択した場合、値上げにより販売台数が落ち込み、
それにより売上も利益も減少する可能性があります。

つまりどちらを選択しても自動車メーカーの業績悪化へ繋がる懸念があります。
自動車関連の就業者は約558万人であり、業績悪化により
その就業者の雇用や賃金にも影響が及ぶ可能性があります。
自動車工場をアメリカへ移した場合
関税を避けるためには、生産を国内ではなくアメリカへ移すという選択肢があります。
- 関税を避けたければ、工場をアメリカへ移転させればいい。
- しかしこれにも問題点がある。
しかし工場を移転した場合、その分日本の雇用が減り失業率の増加します。
また工場を国外へ移転となると数年という単位で時間がかかります。
アメリカ大統領の任期は4年のため、工場の移転後に大統領が変わり
関税を下げるという方針になる可能性もあります。
そのため工場の移転は現実的には難しいと言えるでしょう。
- 関税を避けたい場合、生産工場をアメリカへ移転する必要がある。
- 工場を移転した場合、その分日本の雇用が減り失業率の増加する可能性がある。
- アメリカ大統領の任期は4年のため、工場の移転後に大統領が変わり
関税を下げるという方針になる可能性もある。 - そのため工場移転を難しいと言える。
GDP成長率の低下
これらの影響から日本経済全体では、
実質GDPが最大2%程度低下する試算もあり、
長期的な経済停滞が予測されています。
- トランプ関税により実質GDPが最大2%程度低下する可能性がある。
トランプ関税による日本の私生活への影響
トランプ関税によって日本の私生活へ影響する可能性があります。
アメリカで関税をかけることで、アメリカの輸入品の価格は高騰します。
それによりアメリカではインフレ(物価上昇)が生じます。
一般的にアメリカでインフレが起きた場合、
日本でもインフレが起こる可能性が高いと言われています。
その理由を下記になります。
【アメリカのインフレが日本に与える影響】
- アメリカでインフレが進むと、アメリカで利上げが起きる可能性がある。
- これによる日米の金利差が拡大し円安になる。
- 円安になる、輸入品の価格が上昇し、日本国内でも物価上昇(輸入インフレ)が発生する。
- 特に卵や小麦などの食品、輸入依存度の高い商品に影響が出る。

このように間接的に食品などの物価上昇が起きる可能性があります。
トランプ関税によってアメリカを得をするのか?
必ずしも得することばかりではない。
メリット・デメリットがある。
メリット
デメリット
トランプ関税は短期的には政府収入や一部産業保護につながる可能性がありますが
長期的には物価上昇や貿易停滞、経済縮小といった負の影響が大きいと考えられます。
全体としてアメリカ経済にとって利益よりも損失が大きいとの見方が多いと言われています。

トランプ関税により「アメリカだけ得をする」ということではなさそうです。
各国のトランプ関税の税率
各国のトランプ関税の税率は下記のようになります。
【各国のトランプ関税の税率は】
- カンボジア:49%
- ベトナム:46%
- 中国:34%
- タイ:36%
- 台湾:32%
- インド:26%
- 韓国:25%
- 日本:24%
- EU:20%

輸入車の場合、一律25%とされています。
なぜベトナム・カンボジアの関税は高いのか?
ベトナム・カンボジアはトランプ関税の税率が下記のように
他国より高く設定されています。
- カンボジア:49%
- ベトナム:46%
この理由は中国企業が関税を回避するため
これらの国からアメリカへ輸出しているためになります。
【中国からアメリカからの輸出】
- 中国→アメリカ
ではなく
- 中国→ベトナム・カンボジア→アメリカ
のようにベトナム・カンボジアを経由してアメリカへ輸出しています。
これを防ぐためベトナム・カンボジアに高い関税を設定しました。
まとめ
今回は【トランプ氏の相互関税】について解説しました。
要点をまとめると下記になります。
- 関税とは簡単に言うと「輸入品に課される税」となります。
- 基本的には支払う人は輸入者であり、支払先は輸入国である。
- 2025年4月、トランプ大統領が関税につい下記のように発表した。
- すべての輸入品に一律10%の基本関税を課す
- さらに各国の関税率や非関税障壁を考慮して追加の税率を設定する
- 日本には24%の追加関税を適用する。
- また上記とは別ですべての国からの輸入車に25%の関税が課される。
- トランプ関税の目的はアメリカ国内の自動車産業の活性化である。
- 輸入を減らすことでアメリカ国内の生産の増加を狙っている。
- 日本では自動車の輸出割合が多いため、自動車産業の経済悪化が懸念される。
- 自動車関連の就業者は約558万人であり、全体の約8%となる。
- それらの雇用や賃金に悪影響を及ぼす懸念がある。
- 追加関税により日本の輸入食品(卵・小麦など)が値上がりする可能性がある。
- 追加関税によりアメリカの輸入価格が上がりインフレが起きる可能性がある
- アメリカでインフレが進むと、アメリカで利上げが起きる可能性がある。
- これによる日米の金利差が拡大し円安になる。
- 円安になる、輸入品の価格が上昇し、日本国内でも物価上昇(輸入インフレ)が発生する。
- 特に卵や小麦などの食品、輸入依存度の高い商品に影響が出る。
今回のトランプ関税は長期的に続くのでしょうか。
今後も展開あり次第更新していきます。