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ベンチャーキャピタルとは?メリット・デメリット

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今回はベンチャーキャピタル(VC)について解説します。

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ベンチャーキャピタルとは?

ベンチャーキャピタルとは、

成長が見込まれる未上場企業などに出資する会社をいいます。

出資することでベンチャーキャピタルは企業から株式を取得します。

【出資とは?】

出資とは、投資家が企業の株を買うことです。

出資された企業はこれにより資金を調達することができます。

ベンチャーキャピタル(Venture Capital)はVCとも呼ばれています。

仕訳

仕訳で示すと下記になります。

◆ベンチャーキャピタル側の仕訳

投資有価証券
(資産)
/現預金

◆出資を受けた企業の仕訳

現預金/資本金
(純資産)

出資と融資の違い

「出資」と「融資」の違いは返済義務の有無になります。

融資とは?

融資」でもらったお金は返済しなければなりません。

融資の場合で資金調達した場合は

返済義務があるため、借入金(負債)で計上します。

出資とは?

それに対して「出資」でもらったお金は返済義務がありません。

返済義務がないため、資本金(純資産)で計上します。

  • 【出資】→返済義務なし
    資本金(純資産)
  • 【融資】→返済義務あり
    借入金(負債)
資産・負債・純資産・費用・収益

負債」は返済義務があるもの

純資産」は返済義務がないものになります。

ベンチャーキャピタルはなぜ出資するのか?

融資と違い出資したお金は返済されません。

では、ベンチャーキャピタルはなぜ出資するのか?

それはキャピタルゲインを得るのがベンチャーキャピタルの目的となるためです。

キャピタルゲインとは?

ベンチャーキャピタルが出資する相手は主に

成長が見込まれる未上場企業になります。

未上場企業が上場(IPO)をしたとき、株価が大きく上昇します。

この時に株式を売却すると大きな利益を得ることができます。

  • 上場前の投資額
  • 上場後の株式の売却額

上記の差額による利益を得ることを目的として、

ベンチャーキャピタルは成長見込みがある企業へ出資を行います。

この売却益を得ることを「キャピタルゲイン」といいます。

【キャピタルゲインとは?】

保有している株式などを売却することによって得られる売却益のこと

キャピタルゲインを得るためにベンチャーキャピタルは企業へ出資を行います。

ベンチャーキャピタルの資金はどこから来るのか?

ベンチャーキャピタルは、億単位の資金を複数の企業へ出資します。

そのため、それなりに資金がないと運営が成り立ちません。

では、ベンチャーキャピタルはその資金をどこから調達しているのか?

それは投資ファンドを設立して投資家から資金を集めるのが

主な資金調達の手段になります。

【投資ファンドとは?】

投資ファンドは、複数の投資家から資金を集め、その資金を用いて投資を行い、そのリターンを分配するという仕組みになります。

投資家からお金を集めることでベンチャーキャピタルの運営が成り立ちます。

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ベンチャーキャピタルから出資を受けるメリット

では、企業からしてベンチャーキャピタルから出資を受けると、どんなメリットがあるのでしょうか?

それは下記になります。

【メリット】

  • 返済不要の資金調達ができる
  • 金融機関から融資が受けやすくなる。
  • 経営的なサポートが提供してもらえる。

返済不要の資金調達ができる

1番のメリットは資金調達です。

設立して間もない会社の場合、資金不足に陥りがちです。

大きな事業をスタートするにも、資金が足りずにできないという会社も多くあります。

資金調達することで、新しく事業を展開したり、新たな従業員を雇ったりすることができます。

また、銀行から融資を受けた場合は、返済が必要ですが

ベンチャーキャピタルからの出資は返済義務はありません。

金融機関から融資が受けやすくなる。

ベンチャーキャピタルから出資されるということは

それなりに成長が見込まれると評価された企業となります。

そのため、ベンチャーキャピタルから認められたということで

銀行からも融資が受けやすくなります。

経営的なサポートが提供してもらえる。

ベンチャーキャピタルは、多くの企業を見てきた経験があるため

経営に関するスキルやノウハウが豊富となります。

経営的なアドバイスやサポートをしてもらえるというメリットがあります。

またベンチャーキャピタルの投資先の会社を紹介してもらうことにより

業提携を行い、企業の成長に繋がることもあります。

ベンチャーキャピタルから出資を受けるデメリット

次にデメリットについて解説します。

デメリットは下記のようになります。

【デメリット】

  • 自由な経営ができなくなる。
  • 上場準備の負担がかかる。
  • 早期に資金回収されるリスクがある

自由な経営ができなくなる。

ベンチャーキャピタルから出資を受けるということは

株式の保有により経営する権利を握られることになります。

つまり、ベンチャーキャピタルの経営方針に従わなければならないことも

出てくるというのがデメリットの1つとなります。

上場準備の負担がかかる。

ベンチャーキャピタルから出資を受けるとなると

上場を目指すことになります。

上場準備を行う場合、それなりのコストや労力が必要となります。

上場準備を目指すための費用は数千万~数億以上と言われています。

早期に資金回収されるリスクがある

企業の業績が悪化し成長が見込まれないと判断された場合

ベンチャーキャピタルから出資金の回収を早期に迫られる可能性があります。

まとめ

今回はベンチャーキャピタル(VC)について解説しました。

要点をまとめると下記になります。

  • ベンチャーキャピタルとは、成長が見込まれる未上場企業などに出資する会社である。
  • ベンチャーキャピタルはキャピタルゲインを得るために出資を行う。

【メリット】

  • 資金調達ができる(返済が不要)
  • 金融機関から融資が受けやすくなる。
  • 経営的なサポートが提供してもらえる。

【デメリット】

  • 自由な経営ができなくなる。
  • 上場準備の負担がかかる。
  • 早期に資金回収されるリスクがある
ベンチャーキャピタル

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