簿記の勉強をしていると
- 帳票
- 帳簿
- 伝票
という名前を聞きます。名前も似ており、
この違いがわかりにくいと感じる方もいるのではないでしょうか?
今回は「帳票」「帳簿」「伝票」の3つの違いについて解説します。
「帳票」とは?
「帳票(ちょうひょう)」は「帳簿」「伝票」の総称です。
つまり、「帳票」の中に「帳簿」「伝票」があるということです。
- 「帳簿」の「帳」
- 「伝票」の「票」
この2つを合わせて「帳票」といいます
図解で表すと下記のようになります。

では「帳簿」「伝票」とはなんでしょうか。
次にその違いについて解説します。
「伝票」とは?
「伝票(でんぴょう)」は1つ1つの仕訳のことです。
伝票は下記の3種類があります
- 入金伝票
- 出金伝票
- 振替伝票
これら3つを用いた伝票を「3伝票制」と呼びます
1.入金伝票
「入金伝票」は現金を受け取ったときの伝票です。
現金 | 100 | / | 売掛金 | 100 |
現金 | 200 | / | 売上 | 200 |

上記のような仕訳が「入金伝票」になります。
2.出金伝票
「出金伝票」は現金を支払ったときの伝票です。
買掛金 | 150 | / | 現金 | 150 |
仕入 | 220 | / | 現金 | 220 |

上記のような仕訳が「出金伝票」になります。
3.振替伝票
「振替伝票」は現金以外の取引の伝票です。
仕入 | 100 | / | 買掛金 | 100 |
売掛金 | 150 | / | 売上 | 150 |
未収収益 | 50 | / | 受取利息 | 50 |

上記のような仕訳が「振替伝票」になります。
また上記の「3伝票制」に「売上伝票」「仕入伝票」を追加した
「5伝票制」もありますが、採用しているケースが少なく
日商簿記の試験範囲からは除外されました。
「帳簿」とは?
「帳簿」は上記の各伝票をまとめたものになります。
「帳簿」もいくつか種類があり大きく下記2つに分かれます。
- 主要簿
- 補助簿

主要簿とは?
「主要簿」は「仕訳帳」と「総勘定元帳」の総称です。
例えば「売上」の勘定科目の取引を見たい時は
総勘定元帳の「売上」を見れば、売上のみの取引を一覧で確認することができます。
補助簿とは?
補助簿は、さらに
「補助元帳」「補助記入帳」に分かれます。
補助元帳
「補助元帳」は特定の勘定科目の内訳を明らかにするために記録する帳簿です
- 商品有高帳
→商品ごとに分類した帳簿 - 売掛金元帳
→売掛金を得意先ごとに分類した帳簿 - 買掛金元帳
→買掛金を仕入先ごとに分類した帳簿
補助記入帳
「補助記入帳」は特定取引についての明細を記録する帳簿です。
- 現金出納帳
→現金の入出金の取引明細をまとめたもの - 仕入帳
→仕入の取引明細をまとめたもの - 売上帳
→売上の取引明細をまとめたもの

まとめ
今回は「帳票」「帳簿」「伝票」の違いについて解説しました。
要点をまとめると下記になります。
「帳簿」「伝票」の総称が「帳票」です。
◆伝票の種類
→入金伝票・出金伝票・振替伝票の3伝票制
◆帳簿の種類
→大きく「主要簿」と「補助簿」で区別される。
〇主要簿
→「総勘定元帳」「仕訳帳」
〇補助簿
→補助元帳(商品有高帳・売掛金元帳・買掛金元帳)
→補助記入帳(現金出納帳・仕入帳・売上帳)
「〇〇伝票」という名称は伝票
「〇〇帳」という名称は帳簿
これを合わせて「帳票」と覚えておきましょう。

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