会社の形態では「株式会社」が最も知られていますが
他にも合同会社・合資会社・合名会社という会社形態があります。
今回は【株式会社・合同会社・合資会社・合名会社の違い】について解説します。
4種類の会社の形態
会社の形態は下記の4種類があります。
【4種類の会社の形態】
- 株式会社
- 合同会社
- 合資会社
- 合名会社
株式会社とは？
株式会社は、株主から資金調達をして、
経営者はその資金をもとに事業を行います。
そして事業で得た利益は株主へ配当というかたちで還元します。
株式会社では
- 出資者である株主
- 経営を行う取締役
で役割が切り離されています。
これを「所有と経営の分離」といいます。
小さい企業であれば株主＝経営者の場合もあります。
株式会社は出資者を増やして会社を拡大していきたい場合に適した会社形態です。
合同会社とは？
合同会社は「出資する人」と「役員」が同じ会社形態になります。
会社の所有者が業務を執行します。
各社員から選ばれた人が「代表社員」となります。
株式会社と違い、合同会社は
「所有と経営の分離」がされていません。
そのため、情報公開することも少ない性質があります。
合同会社の特徴
「所有と経営の分離」がされていないため、
経営の自由度が高いのが特徴です。
また重要事項を決定する場合も株主総会を開催する必要もないため
株式会社と比較すると
意思決定のスピードを早めることができます。
合同会社と2006年の会社法改正により新しく設けられた会社形態です。
合同会社は仲間内で小規模の事業を行いたい場合に適した会社形態です。
また株式会社と比べて設立費用が安いのも特徴です。
代表社員と業務執行社員
合同会社では
出資者兼役員として「社員」がいて
さらに「代表社員」と「業務執行社員」という役職者がいます。
合資会社とは？
合資会社とは下記の2つで構成される会社形態です。
- 会社の債務に対し無制限に責任を負う「無限責任社員」
- 会社の債務に対し出資額を限度額として責任を負う「有限責任社員」
設立時に「無限責任社員」と「有限責任社員」
それぞれ1名以上が必要となります。
無限責任と有限責任とは？
【無限責任とは？】
無限責任とは、会社が倒産した時に、
会社の債務を全額を支払う責任を負うことをいいます。
【有限責任とは？】
これに対して有限責任は
出資額を限度額として責任を負います。
つまり有限責任は出資したお金はなくなりますが、それ以上の責任は負わないということです。
合名会社とは？
合名会社とは
- 会社の債務に対し無制限に責任を負う「無限責任社員」
のみで構成される会社形態になります。
複数の個人事業主が集まって構成されている会社というイメージになります。
有限会社と株式会社
有限会社とは2006年の会社法施行に伴い、
廃止された会社形態です。
そのため新たに会社を設立する場合、
有限会社としての設立はできません。
現在も有限会社として残っている会社は2005年以前に設立した会社と言えます。
2006年以前の会社法施行以前は「株式会社」と「有限会社」は下記のような違いがありました。
会社法施行以前の【株式会社】
- 資本金：1,000万円以上
- 社員数：制限なし
- 役員の人数：取締役3名以上、監査役1名以上
- 取締役の任期：2年以内
会社法施行以前の【有限会社】
- 資本金：300万円以上
- 社員数：50人以下
- 役員の人数：取締役1名以上
- 取締役の任期：制限なし
つまり小規模な会社は、有限会社とされていました。
しかし、会社法施行により下記のように変更され、
有限会社は廃止されました。
- 最低資本金制度の撤廃
- 役員の人数は「取締役1名以上」に改定
「資本金1円」からの会社設立が可能となり、
役員の人数も取締役1名から可能となりました。
この改正により起業のハードルが格段に低くなりました。
各会社形態の略語
それぞれの会社形態の略語は下記のようになります。
| 会社形態 | 漢字 | 先頭 | 途中 | 末尾 |
|---|---|---|---|---|
| 株式会社 | （株） | カ） | （カ） | （カ |
| 合同会社 | （同） | ド） | （ド） | （ド |
| 合資会社 | （資） | シ） | （シ） | （シ |
| 合名会社 | （名） | メ） | （メ） | （メ |
| 有限会社 | （有） | ユ） | （ユ） | （ユ |
4つの会社形態のまとめ
4つの会社形態をまとめると下記のようになります。
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