役員と執行役員は名前が似ていますが
全く異なる立ち位置になります。
今回は【役員と執行役員の違い】について解説します。
役員とは?
役員とは、会社全体の経営方針を決める役割を担う者のことです。
会社法では下記を役員と定義しています。
- 取締役
- 会計参与
- 監査役
取締役
取締役は会社の業務執行の意思決定を行う者のことを指します。
また取締役の中で会社を代表する取締役を代表取締役といいます。
会計参与
会計参与とは、取締役等と共同して計算書類等を作成する役割を担う者のことです。
会計参与は誰でもなれる訳ではなく
公認会計士・監査法人・税理士・税理士法人でなければなりません。
会計参与は2006年5月に施行された会社法により新設された制度です。
監査役
監査役とは、下記のような監査を行う役割を担う者のことです。
- 取締役の職務執行の監査を行う「業務監査」
- 会社の会計に関する監査を行う「会計監査」
監査役が設置されることで、企業の健全性や適正性を担保することが期待されます。
執行役員とは?
執行役員とは、取締役(役員)が意思決定した業務を執行する者になります。
つまり執行役員は、取締役(役員)の下に立場になります。
役員は法律上の定義がありますが、
執行役員は法律上の定めはありません。
そのため「執行役員」は法律上の名称ではなく、単なる敬称になります。
執行役員は”役員”ではない
「役員」という名前が付いておりますが
執行役員は役員ではありません。
取締役会の下の立ち位置であり、社員の中で上の立場になります。
- 取締役などの役員
⇒法律上、役員となる - 執行役員
⇒法律上、役員とならない
役員報酬について
役員報酬とは、役員に対して支給される報酬のことです。
執行役員は役員ではないため、
執行役員には役員報酬が支払われることはありません。
執行役員に支払われるのは従業員と同じ「給与」になります。
雇用形態について
役員と執行役員は雇用形態が異なります。
執行役員は従業員と同じく会社と「雇用契約」を結びますが
役員は「委任契約」となります。
- 役員⇒委任契約
- 執行役員⇒雇用契約
雇用保険の加入について
執行役員も含め従業員は、雇用契約となるため
入社時に雇用保険の加入が必要となります。
これに対して役員は、雇用契約ではなく委任契約のため
雇用保険の被保険者にはなりません。
そのため、役員は雇用保険の加入ができないことになります。
- 役員は雇用保険の加入ができない。
- 執行役員は雇用契約のため、雇用保険の加入が必要
まとめ
今回は【役員と執行役員の違い】について解説しました。
要点をまとめると下記になります。
- 役員とは、会社全体の経営方針を決める役割を担う者のこと。
- 会社法では下記を役員と定義している。
- 取締役
- 会計参与
- 監査役
- 執行役員は取締役(役員)が意思決定した業務を執行する役割を担う者のこと
- 執行役員は法律上、役員とならない。従業員の中で上の立場になる。
- 役員と執行役員では雇用形態が下記のように異なる
- 役員⇒委任契約
- 執行役員⇒雇用契約
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