経理の知識

【図解】税法・会社法・金商法による財務諸表の違い

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財務諸表の作成は

「税法」「会社法」「金融商品取引法(金商法)」

によって必要な書類が異なります。

  1. 税法
  2. 会社法
  3. 金融商品取引法(金商法)

今回はこの3つの法律による財務諸表の作成の違いについて解説します。

金融商品取引法は略して「金商法」と呼ぶことがあります。

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財務諸表の呼び名の違い

日本の会計に関する法律は

税法」「会社法」「金融商品取引法(金商法)の3つがありますが

財務諸表の呼び名は

下記のようにそれぞれ異なります。

  1. 税法
    決算書
  2. 会社法
    計算書類
  3. 金融商品取引法(金商法)
    財務諸表

法律による目的

この3つの法律によるそれぞれの目的を解説します。

  1. 税法
  2. 会社法
  3. 金融商品取引法(金商法)

税法

税法とは税金を納めるルールを定めた法律です。

税法による決算書の作成は

税金を納めるために行います。

税法は様々な種類がありますが、今回話しているのは「法人税法」になります。

会社法

会社法とは会社の設立・運営および管理などの手続きを定める法律です。

会社法による計算書類の作成は

株主などの”利害関係者”に開示するために行います。

【利害関係者とは?】

利害関係者とは

企業が組織として活動した際に影響を受ける者のことをいいます。

例としては

株主・経営・従業員・顧客・取引先・金融機関などになります。

金融商品取引法(金商法)

金商法とは

金融商品の取引の公正」や「投資家の保護」を目的とした法律です。

金商法による財務諸表の作成は

投資家に向けて開示するため行います。

金融商品取引法は略して「金商法」と呼ぶことがあります。

金商法の対象となる企業は

「上場会社」になります。

補足

上場会社の場合、会社の株式が証券取引所で公開されており

一般の方でも証券口座を通して、

株の売買を行うことができます。

この投資家に向けて、金商法に基づき財務諸表の開示が義務付けられています。

税法・会社法・金商法による財務諸表の違い

下記3つによる会社の決算で必要となる書類は異なります。

  1. 税法
  2. 会社法
  3. 金融商品取引法(金商法)

それぞれの必要書類の違いについて解説します。

税法

税法とは税金を納めるルールを定めた法律です。

税法では、税務申告書を提出時に下記の決算書を添付する必要があります。

法人は企業活動で得られた所得に応じて「法人税等」を納める義務があります。

つまり、大企業・中小企業に関わらず全ての法人が対象となります。

会社法

会社法では下記の計算書類等の提出が義務付けられています。

株主総会に向けて作成する資料になります。

附属明細書は下記の2種類があります。

  • 「事業報告」による附属明細書
  • 「計算書類」による附属明細書

会社法では「大会社」については

会計監査人による計算書類等の会計監査を義務付けております。

【大会社とは?】

資本金の額が5億円以上」または「負債の額200億円以上」の会社

を指します。

大会社の該当する場合、事業規模も大きく利害関係者への影響が多数のため

会計監査人の設置が義務付けられています。

金商法

会社法では下記の財務諸表等の提出が義務付けられています。

金商法では、キャッシュ・フロー計算書(C/F)の開示も義務付けられ

他にも投資家向けの資料として

決算短信」「四半期報告書」「有価証券報告書」の開示も義務付けられます。

金商法の対象となる企業は「上場企業」になります。

まとめ

税法・会社法・金商法の違いをまとめると下記になります

◆財務諸表の呼び名は下記のようになる。

  1. 税法
    決算書
  2. 会社法
    計算書類
  3. 金融商品取引法(金商法)
    財務諸表

◆それぞれの法律による目的

  1. 税法
    税金を納めるため
  2. 会社法
    ”利害関係者”に開示するため
  3. 金融商品取引法(金商法)
    ”投資家”に開示するため

◆対象となる法人

  1. 税法
    非上場の中小企業を含む全ての法人
  2. 会社法
    →株式会社などの法人
    ※「大会社」の場合、会社法監査が義務付け
  3. 金融商品取引法(金商法)
    上場企業

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