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与信管理とは?わかりやすく解説

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今回は【与信管理】について解説します。

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与信管理とは?

与信とは文字通り

「信用を与える」という意味です。

企業が得意先に商品を販売する場合

「商品を先に納品して、あとから代金を頂く」ケースが多くあります。

この後から頂く代金を「債権」「売掛金」と呼びます。

この時、得意先が代金を支払ってくれないリスクがあります。

それを防ぐため、得意先と取引をする前に

「得意先が安全か?」信用調査をする必要があります。

このような管理を行うことを「与信管理」といいます。

与信管理のプロセス

与信管理のプロセスとしては下記のような流れで行います。

【与信管理のプロセス】

  1. 商談開始
  2. 与信調査の開始
  3. 与信調査の承認
  4. 与信事後の管理

商談開始

営業部門が得意先と商談を行います。

それと合わせて営業部門が管理部門に与信調査の依頼を行います。

与信調査の開始

企業のホームページから企業規模・事業内容・資本金などの情報を取得します。

上場企業であればIRを見て企業の財務諸表を確認することができます。

収集した情報で、下記の分析を行い信用調査します。

  • 定量分析
    →企業の財務諸表をもとに数値データの分析を行います。
  • 定性分析
    →数値では表せない経営者の資質、事業内容を分析します。
  • 商流分析
    →商品の生産から販売まで事業全体の流れを分析します。

上記により取引先の信用力を格付けし、

「与信限度額」を設定します。

【与信限度額とは?】

与信限度額とは、得意先ごとに設定する

売掛金などの債権の上限額をいいます。

金額が大きい取引が発生した場合、未回収のリスクが高いため「与信限度額」を設定します。

与信限度額の決裁

担当者は、設定した与信限度額で

申請を行い、決裁者は確認して承認を行います。

与信事後の管理

取引を開始した後も定期的に、得意先の与信の見直しを行う必要があります。

債権の回収が遅れている場合は、未回収のリスクが高くなるため

与信限度額の見直しが必要となります。

与信管理は誰がするのか?

与信管理はどの部署が担当しているのか?

経理・法務・総務など企業によって異なります。

また大企業であれば審査部という専門部署があり、そこで行うことがあります。

  • 経理部
    →経理部は財務情報の分析を得意としており、売掛金の入金管理もしていることから、経理部が与信管理する場合があります。
  • 法務部
    →法務部は契約書チェックをしていることから、法務部が与信管理する場合があります。
  • 総務部
    →企業規模が小さく、新規の取引先が少ない場合は与信管理を重視していないことから、総務部が与信管理する場合があります。

このように企業によって与信管理する部署は異なります。

与信管理の重要性

新しい得意先と取引を開始する場合

リスクとして大きいのは「代金の未回収」です。

いくら大きな金額の契約を締結しても、代金が回収されなければ意味がありません。

それを事前に防ぐため与信管理は重要な業務の1つとなります。

まとめ

今回は【与信管理】について解説しました。

要点をまとめると下記になります。

  • 与信とは文字通り「信用を与える」という意味である。
  • 代金の未回収を防ぐため取引を開始する前に「得意先が安全か?」信用調査をする必要がある。これが与信管理である。
  • 与信管理を行う部署は経理・法務・総務など企業によって異なる。

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