企業の業績がよかった場合など決算賞与が支給されることがあります。
当期で賞与を計上し翌期で賞与を支給した場合
決算賞与および社会保険料は当期で損金算入できるのでしょうか。
今回は【決算賞与および社会保険料は当期で損金算入できるか?】について解説します。
賞与の損金算入時期
例
- 当社は3月決算である。
- 決算賞与を3月に計上し翌期の4月に支払った。
- この場合、損金算入時期はどうなるのか?
賞与の損金算入時期の要件を下記のようになります。
【賞与の損金算入時期】
下記の要件をすべて満たせば当期で損金算入できる
- その支給額を同時期に各従業員に対して通知をしている
- その通知をした日の属する事業年度終了の日の翌日から1か月以内に支払っている。
上記の要件に満たさない場合はその支払をした日の事業年度で損金算入されます。

賞与は要件を満たせば損金算入できる
決算賞与に係る社会保険料の損金算入時期
賞与を計上する際に会社負担分の社会保険料を「法定福利費」で計上します。
この社会保険料は損金算入できるのか?について説明します。
例
- 当社は3月決算である。
- 決算賞与を3月に計上し翌期の4月に支払った。
- またこれに係る社会保険料も3月で計上している。
- この場合、損金算入時期はどうなるのか?
決算賞与に係る社会保険料の損金算入時期については下記のようになります。
【決算賞与に係る社会保険料の損金算入】
→当期で損金算入できない
理由:
社会保険料の債務が確定するのは賞与を支払った4月に確定する。
そのため翌期の4月に損金算入される。
社会保険料の債務の確定は翌期の4月のため、当期の3月では損金算入できないかたちになります。

決算賞与に係る社会保険料は損金算入できない
まとめ
今回は【決算賞与および社会保険料は当期で損金算入できるか?】もついて解説しました。
要点をまとめると下記になります。
- 賞与
→要件を満たせば当期で損金算入できる - 上記に係る社会保険料
→当期で損金算入できない - ※別表4で加算調整が必要