今回は【与信管理】について解説します。
与信管理とは?
与信とは文字通り
「信用を与える」という意味です。
企業が得意先に商品を販売する場合
「商品を先に納品して、あとから代金を頂く」ケースが多くあります。
この後から頂く代金を「債権」「売掛金」と呼びます。
この時、得意先が代金を支払ってくれないリスクがあります。
それを防ぐため、得意先と取引をする前に
「得意先が安全か?」信用調査をする必要があります。
このような管理を行うことを「与信管理」といいます。
与信管理のプロセス
与信管理のプロセスとしては下記のような流れで行います。
【与信管理のプロセス】
- 商談開始
- 与信調査の開始
- 与信調査の承認
- 与信事後の管理
商談開始
営業部門が得意先と商談を行います。
それと合わせて営業部門が管理部門に与信調査の依頼を行います。
与信調査の開始
企業のホームページから企業規模・事業内容・資本金などの情報を取得します。
上場企業であればIRを見て企業の財務諸表を確認することができます。
収集した情報で、下記の分析を行い信用調査します。
- 定量分析
→企業の財務諸表をもとに数値データの分析を行います。 - 定性分析
→数値では表せない経営者の資質、事業内容を分析します。 - 商流分析
→商品の生産から販売まで事業全体の流れを分析します。
上記により取引先の信用力を格付けし、
「与信限度額」を設定します。
金額が大きい取引が発生した場合、未回収のリスクが高いため「与信限度額」を設定します。
与信限度額の決裁
担当者は、設定した与信限度額で
申請を行い、決裁者は確認して承認を行います。
与信事後の管理
取引を開始した後も定期的に、得意先の与信の見直しを行う必要があります。
債権の回収が遅れている場合は、未回収のリスクが高くなるため
与信限度額の見直しが必要となります。
与信管理は誰がするのか?
→経理・法務・総務など企業によって異なります。
また大企業であれば審査部という専門部署があり、そこで行うことがあります。
- 経理部
→経理部は財務情報の分析を得意としており、売掛金の入金管理もしていることから、経理部が与信管理する場合があります。 - 法務部
→法務部は契約書チェックをしていることから、法務部が与信管理する場合があります。 - 総務部
→企業規模が小さく、新規の取引先が少ない場合は与信管理を重視していないことから、総務部が与信管理する場合があります。
このように企業によって与信管理する部署は異なります。
与信管理の重要性
新しい得意先と取引を開始する場合
リスクとして大きいのは「代金の未回収」です。
いくら大きな金額の契約を締結しても、代金が回収されなければ意味がありません。
それを事前に防ぐため与信管理は重要な業務の1つとなります。
まとめ
今回は【与信管理】について解説しました。
要点をまとめると下記になります。
- 与信とは文字通り「信用を与える」という意味である。
- 代金の未回収を防ぐため取引を開始する前に「得意先が安全か?」信用調査をする必要がある。これが与信管理である。
- 与信管理を行う部署は経理・法務・総務など企業によって異なる。
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