今回は【地代家賃の消費税の取り扱い】について解説します。
地代家賃とは?
「地代家賃」とは、事業所や店舗などの賃借料、駐車場や借地の使用料のことをいいます。
地代家賃を勘定科目の1つになりますが、
税法上では「地代」と「家賃」によって
消費税の取り扱いが異なるので注意が必要です。
地代と家賃の違い
【地代】
土地を借りるために支払う賃料
【家賃】
建物を借りるために支払う賃料
下記で消費税の取り扱いの違いについて解説します。
「地代」の消費税の取り扱い
地代とは、土地を借りるために支払う賃料のことです。
土地の譲渡や貸付けは非課税取引となります。
ただし、下記に該当する場合は課税取引となります。
- 貸付けに係る期間が1か月に満たない場合
- 駐車場その他の施設の利用に伴って土地が使用される場合
「地代」の消費税の取り扱い
→基本は「非課税」取引
ただし、下記に該当する場合は「課税」取引となる。
- 貸付けに係る期間が1か月に満たない場合
- 駐車場その他の施設の利用に伴って土地が使用される場合
貸付けに係る期間が1か月に満たない場合
土地の貸付けは非課税となりますが、
貸付期間が1か月に満たない場合は「課税」取引となります。
駐車場の消費税の取り扱い
地面の整備またはフェンス、区画、建物の設置などをして
駐車場として利用させる場合、土地の利用というよりは
「施設の利用」に近くなります。
そのため、「課税」取引となります。
ただし、青空駐車場のような全く整備していない更地の駐車場であれば
「土地の利用」に該当するため、「非課税」取引となります。
駐車場の消費税の取り扱い
- フェンス、区画などで整備されている駐車場
→課税 - 青空駐車場のような全く整備していない更地の駐車場
→非課税
「家賃」の消費税の取り扱い
家賃とは、建物を借りるために支払う賃料のことです。
家賃に関して消費税の取り扱いは下記になります。
「家賃」の消費税の取り扱い
- 事業用の家賃
→課税 - 住宅用の家賃(貸付期間が1か月以上)
→非課税 - 住宅用の家賃(貸付期間が1か月未満)
→課税
敷金、礼金の消費税の取り扱い
まず敷金と礼金の違いについて説明すると
敷金は、退去時に返還されるお金になります。
それに対して礼金は返還されません。
退去時に返還される敷金は、資産の譲渡等の対価に該当しないため
非課税となります。
【事業用の敷金・礼金】
- 敷金・・退去時に返還される。
→非課税 - 礼金・・返還されない。
→課税
※住宅用はどちらも非課税となる。
長期出張でウィークリーマンションを借りた場合
企業が家賃を支払うのは主に「事業用」となりますが
長期出張などで従業員がウィークリーマンション・マンスリーマンションを借りた場合は
「住宅用」になります。
この場合、貸付期間によって消費税の区分が異なります。
【長期出張でウィークリーマンション等を住宅用として借りた場合】
- 貸付期間1ヶ月未満
→課税 - 貸付期間1ヶ月以上
→非課税
家賃の「更新料」と「更新事務手数料」
家賃は住宅用で貸付期間が1ヶ月以上であれば非課税となります。
「更新料」についても上記同じ取り扱いで、
住宅用は非課税で事務用は課税となります。
しかし「更新事務手数料」は事業用・住宅用問わず課税となるので注意しましょう。
「家賃」の消費税の取り扱い
【更新料】
- 事業用の家賃
→課税 - 住宅用の家賃(貸付期間が1か月以上)
→非課税 - 住宅用の家賃(貸付期間が1か月未満)
→課税
【更新事務手数料料】
- 課税
(事業用・住宅用問わず)
「更新料」と「更新事務手数料」の違い
「更新料」と「更新事務手数料」は同じに聞こえますが別物になります。
違いは下記のようになります。
【更新料】
→大家さん(オーナー)に支払うもの
マンションやアパートは2年契約が多いですが、これを更新するための費用となります。
【更新事務手数料料】
→不動産管理会社に支払うもの。
更新手続きするための事務手数料になります。
「更新料」と「更新事務手数料」は名前は似てますが、別物で消費税の扱いも異なるので注意しましょう。
まとめ
今回は【地代家賃の消費税の取り扱い】について解説しました。
要点をまとめると下記になります。
「地代」の消費税の取り扱い
→基本は「非課税」取引
ただし、下記に該当する場合は「課税」取引となる。
- 貸付けに係る期間が1か月に満たない場合
- 駐車場その他の施設の利用に伴って土地が使用される場合
「家賃」の消費税の取り扱い
- 事業用の家賃
→課税 - 住宅用の家賃(貸付期間が1か月以上)
→非課税 - 住宅用の家賃(貸付期間が1か月未満)
→課税
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