2025年2月4日、タレントの小島瑠璃子さんが救急搬送されました。
小島さんが外出先から自宅に戻ってきた際に、意識不明の状態の夫を発見しそのショックで倒れてしまったそうです。
今回の件は旦那さんの会社(Habitat株式会社)が資金繰りに困っていた事から起きたのでは?と言われております。
そこで今回は「Habitat株式会社はどんな財務状況だったのか?」決算分析してみました。
Habitat株式会社の会社概要
Habitat株式会社の会社概要下記のようになります。
- 会社名:Habitat株式会社
- 代表取締役:北村 功太
- 設立:2020年10月
- 所在地:東京都港区六本木6丁目11-18 HOU5F
- 事業内容:温浴施設プロデュース 及び アプリケーション開発
代表者の北村 功太さんが小島瑠璃子さんの旦那さんになります。
Habitat株式会社の事業内容
Habitatの事業内容は
サウナ・温浴施設向けプロデュース 及び アプリケーション開発
になります。
主にサウナ・温浴施設向けのアプリ「habitat」を提供しております。
温泉施設に向けたITサービスを提供しているようです。
スマホで温泉施設の来店予約でき
その施設の混雑状況などもアプリ内で確認できるサービスで
また施設側は来店者のデータを集めて分析することもできるようです。
Habitat株式会社の決算情報
Habitat株式会社は非上場会社のため詳しい決算内容を公開されてませんが
官報には減資をした時の決算公告(第3期)がありました。
※貸借対照表(B/S)のみになります。
- 売上:非公開
- 純利益:△1億4,496万4,363円
- 利益剰余金:△3億225万8,326円
- 総資産:1,844万6,297円
※2023年09月30日決算のデータ
「純利益」というのは1年間の利益になります。
約1億4千万円の赤字となります。
「利益剰余金」は今までの利益の累計になります。
約3億2百万円の赤字となります。
これだけ見ると結構大きな赤字にみえます。
「赤字=業績が悪い」という事ではない
赤字というと悪いイメージが持たれがちですが必ずしもそうとは限りません。
ここで伝えないことは
「赤字=業績が悪い」という事ではない
ということです。
上記のようなアプリケーションを提供するスタートアップ企業では
最初は赤字前提で経営していくのが基本になります。
アプリケーションの開発には莫大な開発費用がかかります。
そのため、最初は赤字で経営しつつ、顧客獲得を広げ黒字化を目指します。
メルカリやfreeeといった企業も赤字を掘って事業を伸ばし黒字化した企業になります。
基本的にはベンチャーキャピタル(VC)など投資家から出資してもらい資金調達をします。
初めは赤字前提のビジネスでは、まず資金が必要となります。
しかし設立したばかりの実績のない企業では
銀行では大きな借入はできません。
借入できるとしても数百万程度になります。
そこでベンチャーキャピタル(VC)など投資家に出資してもらい資金調達をします。
その資金をもとに事業拡大に向けて急成長させていきます。
また出資をしたVCは株主となり、いずれ事業が成長し上場企業となれば
その株式を売ることで大きな売却益(キャピタルゲイン)を得る事ができます。
habitat株式会社の資金調達
habitat株式会社は2021年12月に
第三者割当増資により、約1億円の資金調達をしておりました。
この当時の累計調達額は1.3億円だったようです。
Habitat株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:北村功太、以下Habitat)は株式会社オリエンタルランド・イノベーションズ、株式会社ANOBAKA、株式会社GO、個人投資家複数を引受先とする第三者割当増資により、約1億円のプレシリーズAの資金調達を実施いたしました。
今回の調達により、累計調達額は1.3億円となります。調達した資金は、サウナ事業への設備投資および、オフライン店舗サービス向けOMOツールの開発に活用致します。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000073094.html
この時は創業して1年程の頃になります。
なぜ資金繰りが苦しくなったのか?
おそらく想定した以上に売上が伸び悩んだ事が原因だと思われます。
上記のようなスタートアップ企業では
最初は赤字前提で経営していくのが基本と伝えましたが
それは売上が右肩上がりに伸び続けていく前提になります。
例えばメルカリやfreeeなどの企業は
毎年赤字は拡大してましたが、その分は売上も毎年大きく伸び続けてました。
売上が伸びていれば「今は赤字でもいずれ大きな利益を生み出してくれる」と期待され
VCなどの投資家から出資を受ける機会が出てきて、そこでまた資金調達ができます。
しかし逆に売上が伸び悩んでいれば、投資家から期待がなくなり資金調達が厳しくなります。
habitatの場合、想定より売上が伸びなくなったのではないかと考えられます。
Habitat株式会社の財務状況
改めてHabitat株式会社の財務状況を振り返ると下記のようになります。
- 売上:非公開
- 純利益:△1億4,496万4,363円
- 利益剰余金:△3億225万8,326円
- 総資産:1,844万6,297円
※2023年09月30日決算のデータ
これは2023年9月の状況になりますが
1億4千万円の赤字に対して、総資産が1千8万円というのは相当苦しい状況と言えます。
また総資産1千8万円に対して負債2千4百万円と債務超過しているため
この数字から資金繰りは相当厳しかったと予測されます。
また売上は非公開なのでわかりませんが資産額に対してあまりに負債が多いため売上も伸び悩んでいたのではないかと予測されます。
業績が低迷していれば投資家から新たに出資を受けるのは難しいと言えるでしょう。
アプリ「habitat」の導入社数
アプリ「habitat」を実際にダウンロードしてみました。
アプリ内で確認したところ2025年2月時点で
導入している温泉施設はたったの2社でした。
- 愛の村パーク ゆ・ら・り・あ
- ゆったりかん「光明石温泉」
habitat社の公式サイトのニュース欄を見ると
上記の2社は2023年9月に導入されたようです。
そこから2025年2月までの1年以上の期間、
新規の導入店舗はなかったということになります。
これでは売上が伸び悩むのも当然と言えます。
また2022年に「春日の湯 ドーミーイン後楽園」でサービス提供開始されます。
しかし2025年2月時点ではアプリ内に掲載されていない事から
残念だからその温泉施設は解約となってしまったと考えられます。
ニッチな分野だったのが敗因?
今回、経営が上手くいかなかった要因は様々あると思いますが
顧客ターゲットがニッチ過ぎるのが敗因の1つと言えます。
habitatは「温泉×DX」を掲げていますが
代表の北村さんは過去のインタビュー記事でこのようなことを仰っていました。
銭湯のような温浴施設は社会インフラに近かったので、数百円という価格でこれまでビジネスが成り立っていましたが、現在は1時間4,000円といった高級温浴施設もでてきています。
こういった施設は、顧客を一定数持っておく必要があるため、オンライン予約や会員制度をベースとしたサブスクリプション型にするのがマストです。このように、時代に合わせたビジネスモデルのアップデートこそが、DXの本質だと思っています。
引用:Vol.020 Habitat株式会社 / 代表取締役・北村 功太 さん
つまり顧客ターゲットとなる温泉施設は
昔ながらの銭湯ではなく高級会員制のサウナ・温泉施設が主ということです。
温泉施設からさらに「高級」に絞るとかなり小規模な市場規模といえます。
市場の選定から厳しい段階だったのではないかと言えます。
まとめ
今回はHabitat株式会社の決算分析してみました。
要点をまとめると下記になります。
- Habitat株式会社はタレントの小島瑠璃子さんの旦那さんが経営している会社
- 主にサウナ・温浴施設向けDXツール「habitat」を提供している。
- 2020年に設立し2021年時点では1.3億の資金調達をしているスタートアップ企業である。
- スタートアップ企業では赤字経営は珍しくなく売上が伸び続けていれば問題ない。
- Habitat社の場合、想定より売上が伸びなかった事が原因で資金調達が難しくなり資金繰りが厳しくなってしまったのではないかと思われる。
今回のニュースは衝撃的で驚いた方も多いのではないでしょうか。
小島瑠璃子さんの回復を祈るばかりです。
ご冥福をお祈りいたします。