シンジゲートローンは資金調達の一種です。
今回は【シンジゲートローン】について、初学者でも理解できるようわかりやすく解説していきます。
シンジゲートローンとは?
シンジゲートローンとは、1つの顧客に対して
複数の金融機関が連携して「シンジケート団」を組成し、同一条件で融資を行うことになります。
※略して「シローン」と呼ぶこともあります。
複数の金融機関と連携して融資することから
「協調融資」とも呼ばれます。
具体例
例えば、ある企業が5億の資金調達が必要となった時、
1つの金融機関からの調達は難しいとしても、
5つの金融機関から1億ずつ融資してもらえれば可能となります。
しかし、5つのそれぞれの金融機関と交渉し契約するのは非常に大変です。
そこで5つの金融機関で「シンジゲート団」を形成し、
1つの団体として、1度で5億の融資を受けることが可能となります。
このシンジゲート団のうち、1つの銀行が幹事として取りまとめを行います。
この幹事を「アレンジャー」といいます。
シンジゲートローンの専門用語
シンジゲートローンの解説では聞き慣れない専門用語を耳にすることがあります。
主に扱われる専門用語は下記になります。
【シンジケートローンの専門用語】
- シンジケート団
- アレンジャー
- エージェント
- マンデート
①シンジケート団
複数の金融機関の団体のことをいいます。
②アレンジャー
シンジゲート団の取りまとめを行う幹事のことをいいます。
シンジケートローンでは、アレンジャーへの手数料として
「アレンジメントフィー」の支払いが発生します。
③エージェント
シンジケートローンの契約上の事務処理などを行う機関のことになります。
エージェントは、借入人からの債権回収、回収金を各金融機関への分配などを行います。
エージェントへの手数料として
「エージェントフィー」の支払いが発生します。
「借入人」とは借入を行う企業のことです。
④マンデート
金融機関が借入人(企業)から、シンジケートローンの組成委任を受けることをいいます。
これによりその金融機関がアレンジャーとなり、シンジゲート団を組成し、融資の準備を進めていきます。
シンジゲートローンの流れ
シンジゲートローンの流れを図解で表すと下記のようになります。
実際は「アレンジャー」と「エージェント」は同一の金融機関となるケースがほとんどになります。
シンジケートローンの種類
シンジケートローンには下記の3つの種類があります。
【シンジケートローンの種類】
- コミットメントライン
- ターム・ローン
- コミット型タームローン
①コミットメントライン
事前に設定した融資枠の範囲内で、短期の融資を実行することを約束(コミット)する契約になります。
短期的な運転資金が必要な場合に利用される取引です。
②ターム・ローン
証書貸付の融資形態としており、主に長期的な運転資金として利用される取引になります。
③コミット型タームローン
コミットメントラインとタームローンを組み合わせた形態です。
一定の期間内に段階的に融資を行い、その後に長期的な融資に切り替えていくかたちになります。
企業側のシンジゲートローンのメリット・デメリット
メリット
デメリット
まとめ
今回はシンジゲート・ローンについて解説しました。
要点をまとめると下記になります。
シンジゲートローンとは、1つの顧客に対して
複数の金融機関が連携して「シンジケート団」を組成し、同一条件で融資を行うこと。
複数の金融機関と連携するため、多額な資金調達ができるが
アレンジャーフィーやエージェントフィー等、一般的な融資にはない手数料も発生する。
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