日商簿記2級

商品売買:割戻しと割引【簿記2級】

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前回の記事では、「返品」と「値引き」について解説しました。

今回は「割戻し」「割引」についてて解説していきます。

どちらも似たような言葉に聞こえ混合しやすいですが、その違いについて解説していきます。

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割戻しとは?

一定期間、大量に仕入れてくれた取引先に対して、リベートとして代金の一部を返還することを

割戻しといいます。

「リベート」とは、支払い代金の一部分などを、支払人にもどすことです。

前回の記事で、「返品」と「値引き」の解説をしましたが

「割戻し」も仕訳の処理は同じになります。

例題

A店はB店から商品300円を仕入れたが、リベートとして30円割り戻しされた。

買掛金30/仕入30

割引きとは?

 あらかじめ決めれた期日より前に掛金を支払いをおこなれた場合、一部の代金を免除することを

割引きといいます。

掛金を支払期日より前に支払うことによって免除された金額は利息相当額と考えられます。

そのため、仕入・売上の減少ではなく、

  • 仕入割引(収益)
  • 売上割引(費用)

という勘定科目を用います。

「返品」「値引き」「割戻し」と「割引」では仕訳処理が異なるので注意しよう。

例①

例題

A店はB店から300円の商品を仕入れて、代金は掛けとした。また支払期日は30日後だが、10以内に支払うときは5%の代金を割り引くという条件とする。

仕入300/買掛金300

※仕入時の仕訳は通常通りです。

例②

例題

例①の続ぎで8日後に掛代金を支払った。

買掛金300/現金285
/仕入割引15

※300×5%=15

例③

例題

例②が売掛金の回収だった場合の仕訳を示しなさい。(B店側の仕訳)

現金285/売掛金300
売上割引15/

「仕入割引」は収益勘定

「売上割引」は費用勘定

になります。

「仕入」は費用勘定で「仕入割引」は収益勘定です。

割引になると逆の勘定になるので注意しましょう。

まとめ

以上が「割戻し」と「割引」になります。

「返品」「値引き」「割戻し」の会計処理は、仕入(または売上)の減少

「割引」の会計処理は仕入割引(または売上割引)という勘定科目を用いるのが大きな違いとなります。

また損益計算書(P/L)上では、仕入値引は営業外収益、売上値引は営業外費用となります。

余談【簿記1級】

上記までは簿記2級の試験範囲となりますが、簿記1級で使用する原価率算定では

下記のようになっております。

原価率算定における返品・値引き・割戻し

仕入  売上
返品控除 控除
値引き・割戻し控除  控除しない

返品は、商品が戻ってくるため販売個数は変動しますが

値引き・割戻しは代金の減額のため販売個数は変動しません。

※原価率の算定は原価÷売価です。分母である売価は値引き・割戻しの場合は個数が変動しないため控除しないとなります。

「返品」「値引き」「割戻し」は会計処理は同じでしたが、原価率算定で扱いが異なるので注意しましょう。

こちらは日商簿記1級に試験範囲になりますので、日商簿記3級や2級の勉強をされている方は余談程度に認識して頂ければと思います。

詳しく知りたい方は下記をご参照ください。

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