日商簿記3級

前払金と前受金の違い・仕訳【簿記3級】

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商品を仕入れる場合、商品が納品されてから後日支払う取引が主となります。

しかし注文時に手付金として一部支払うこともあります。

この場合、現金(の減少)の相手科目は「仕入」ではなく「前払金」になります。

今回は「前払金」「前受金」の仕訳について説明します。

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「前払金」「前受金」とは?

前払金(資産)」は商品が納品される前に代金を支払った時に用います。

前受金(負債)」は商品を納品する前に代金を受け取った時に用います。

  • 前払金(資産)
    →商品が納品される前に代金を支払った時に用いる
  • 前受金(負債)
    →商品を納品する前に代金を受け取った時に用いる。

商品を納品する前にお金を支払ったり、受け取ったりする場合「前払金」「前受金」を用います。

商品を注文しても納品されていなければ、仕入(費用)は発生しておりません。

また、商品を販売しても取引先に納品し検収しなければ売上(収益)は実現しておりません。

このようにまだ納品されていないのに代金を支払った場合を「前払金(資産

注文を受けて取引先に納品する前に代金を受け取ったら「前受金(負債)」で計上します。

「前払金」「前受金」の仕訳

例題1

例題

A社はB社より商品100円を注文し、手付金として現金30円支払った。

A社とB社の仕訳を示しなさい。

(A社の仕訳)

前払金
(資産)
30/現金30

注文しただけで商品は納品されていません。

この場合、「仕入」ではなく「前払金(資産)」になります。

(B社の仕訳)

現金30/前受金
(負債)
30

商品の納品をする前にお金を受け取ったため

この場合、「仕入」ではなく「前受金(負債)」になります。

30円支払いましたが、まだ役務提供(商品の納品)は受けてません。

そのため、BS科目の「前払金(資産)」「前受金(負債)」で計上します。

例題2

例題

上記の例題の続きで

A社はB社より商品100円を仕入れた。注文時に30円支払済みである。残額は掛けとした。

A社とB社の仕訳を示しなさい。

(A社の仕訳)

仕入100/前払金
(資産の減少)
30
/買掛金70

商品が納品されたので、費用である「仕入」で計上します。

例題1で支払った前払金(資産)を減少させ、

残額100-30=70円は買掛金となります。

30円はすでに支払っているため残額の70円が買掛金になりますね。

(B社の仕訳)

前受金
(負債の減少)
30/売上100
売掛金70/

商品が納品したので、収益である「売上」で計上します。

例題1で受け取った前受金(負債)を減少させ、

残額100-30=70円は売掛金となります。

例題3

例題

上記の例題の続きで

A社はB社へ残額の掛け金を現金にて支払った。

A社とB社の仕訳を示しなさい。

(A社の仕訳)

買掛金70/現金70

残額70円の代金を支払ったため買掛金を減少させます。

(B社の仕訳)

現金70/売掛金70

残額70円の代金を受け取ったため売掛金を減少させます。

まとめ

今回は「前払金」「前受金」について解説しました。

  • 前払金(資産)
    →商品が納品される前に代金を支払った時に用いる
  • 前受金(負債)
    →商品を納品する前に代金を受け取った時に用いる。

「商品を注文した時」=「仕入」ではありません。

商品が納品されてから「仕入」となります。費用が発生するタイミングに注意しておきましょう。

また、「前払金」「前受金」は「仮払金」「仮受金」と混在しがちです。

「仮払金」「仮受金」についての解説は下記になりますので、よかったらご参照ください。

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