日商簿記3級

「貸付金」「借入金」について【簿記3級】

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今回は【貸付金・借入金」の仕訳について解説します。

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「貸付金」「借入金」とは?

  • 貸付金とは、お金を貸すこと
  • 借入金とは、お金を借りること

企業は資金に余裕があると、取引先にお金を貸すことがあります。

貸したお金は後日、利息とともに回収します。

その逆で、資金に不足する場合は、取引先からお金を借りる場合があります。

借りたお金は後日、利息とともに返済します。

貸付金は「資産」

お金を貸すことで

後にお金を返済してもらえる権利が発生します。

そのため貸付金は「資産」になります。

借入金は「負債」

お金を借りることで

後にお金を返済する義務が発生します。

借入金は「負債」になります。

「貸付金」「借入金」の仕訳処理

取引先にお金を貸すことを「貸付金(資産)

取引先にお金を借りることを「借入金(負債)」といいます。

例題1

例題

A社は、B社に100円現金を貸し付けた。

(A社の仕訳)

貸付金(資産)100/現金100

※現金を貸すことで減少し、それに伴い貸付金(資産)が増加します。

(B社の仕訳)

現金100/借入金(負債)100

※現金を借りることで増加し、それに伴い借入金(負債)が増加します。

例題2

例題

A社は、B社より貸付金100円およびその利息10円を回収した。

(A社の仕訳)

現金110/貸付金100
/受取利息10

貸付金(資産)が減少し貸方へ、現金(資産)が増加し借方で計上します。

※利息含めた金額(100+10=110円)の現金を受け取ります。

(B社の仕訳)

借入金100/現金110
支払利息10/

借入金(負債)が減少し借方へ、現金(資産)が減少し貸方で計上します。

受取利息は収益、支払利息は費用で、どちらもPL科目になります。

「利息」の計算方法

「利息」の計算は、年利率貸付(または借入)の期間によって計算します。

年利率」は1年貸した(あるいは借りた)場合の利率です。

また利息を支払う場合は「支払利息(費用)」

利息を受け取る場合は「受取利息(収益)」で処理します。

支払利息は「費用」
受取利息は「収益」

例題1

例題

A社はB銀行より借りていた1,000円を利息とともに普通預金から支払った。利息の年利率は5%で借入期間は6ヶ月とする。

月割り」で利息を計算する場合の問題です。

借入金1,000/普通預金1,025
支払利息25/

※「支払利息」の求め方

1,000×5%×6ヶ月/12 =25円

利息の計算は月割りではなく、日割りで計算することもあります。実務では日割りで計算することが主となります。

例題2

例題

A社はC銀行より借りていた7,300円を利息とともに普通預金から支払った。利息の年利率は5%で借入期間は60日とする。(1年が365日した場合)

日割り」で利息を計算する場合の問題です。

借入金7,300/普通預金7,360
支払利息60/

※「支払利息」の求め方

7,300×5%×60日/365 =60円

長期貸付金・長期借入金

「貸付金」「借入金」の貸借対照表における表示については「1年基準」が適用されます。

「1年基準」とはワンイヤールールとも呼ばれ、

決算月の翌日から1年以内の回収(または返済)期限が到来するものを流動資産(または負債)

1年越えのの回収(または返済)期限が到来するものを固定資産(または負債)と表示します。

  • 1年以内・・・「貸付金(流動資産)」「借入金(流動負債)」
  • 1年越え・・・「長期貸付金(固定資産)」・「長期借入金(固定負債)」

例題1

例題

3月期末決算時点で貸付金1,000が残高として残っている。うち、300円は1年以内に回収予定のものである。

長期貸付金700/貸付金700

※貸付金(流動資産)を減少し、長期貸付金(固定資産)を増加させる。

※1年越えは1000(全額)-300(1年以内)=700円

例題2

例題

3月期末決算時点で長期貸付金1,000が残高として残っている。うち、300円は1年以内に回収予定のものである。

貸付金300/長期貸付金300

※長期貸付金(固定資産)を減少し、貸付金(流動資産)を増加させる。

例①②の仕訳後の残高は

貸付金300円(1年以内)

長期貸付金700円(1年越え)になります。

また、経理の実務の話になりますが会社によっては「貸付金」「借入金」を「短期貸付金」「短期借入金」と表示しています。

長期⇔短期のような表示科目を振り替える仕訳を「長短振替」と呼んていたりします。

まとめ

以上が「貸付金」「借入金」の解説になります。

期間が1年以内か1年超えによって、科目の表示が変わるので注意しましょう。

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