今回は商品の払出単価の下記3つの算出方法について解説します。
【商品の払出単価】
- 先入先出法(日商簿記3級)
- 移動平均法(日商簿記3級)
- 総平均法(日商簿記2級)
↓[個別法]・[最終仕入原価法]については下記をご参照ください。
商品の払い出しとは?
商品の払い出しとは、仕入れた商品を販売することをいいます。
上記の図の右上の【売上原価】に当たる部分が払い出しになります。
また左下の②仕入は「受入」とも呼びます。
商品の払出単価の算出
この払出単価を求める方法として下記の3つ方法があります。
【商品の払出単価】
- 先入先出法(日商簿記3級)
- 移動平均法(日商簿記3級)
- 総平均法(日商簿記2級)
払い出した時の単価の算出は、上記の3つの方法があります。
先入先出法(簿記3級)
「先入先出法」は名前の通り、
先に受け入れた商品から払い出す方法です。
移動平均法(簿記3級)
「移動平均法」は
商品の受け入れのつど、平均単価を計算してその平均単価を払出単価とする方法です。
総平均法(簿記2級)
「総平均法」は
一定期間における、平均単価を計算してその平均単価を払出単価とする方法です。
※一定の期間とは1ヶ月・1年などの期間を用いる
例題
下記の例題に併せて下記3種類のそれぞれの払出単価の求め方を解説します。
【商品の払出単価】
- 先入先出法(日商簿記3級)
- 移動平均法(日商簿記3級)
- 総平均法(日商簿記2級)
※総平均法は当月(1月)の期間で平均単価を求めるとします。
先入先出法(簿記3級)
先入先出法は、先に受け入れたものを先に出す方法です。
(1)1/8 35個払い出したとき
- 受入1/1、20個
- 受入1/5、40個のうち、15個(35-20個)
上記35個を払い出すように計算します。
それぞれの払出単価:20個は@100、15個は@110
払出金額:
(@100×20個)+(@110×15個)=3,650円
払出単価:
3,650÷35個=@104円
1/8時点の残高
- 40-15個=25個(@110)
(2)1/27 50個払い出したとき
- 受入1/5、25個
- 受入1/12、10個
- 受入1/18、15個(50-25-10)
上記50個を払い出すように計算します。
それぞれの払出単価:25個は@110、10個は@85、15個は@95
払出金額:
(@110×25個)+(@85×10個)+(@95×15個)=5,025
払出単価:
5,025÷50個=@101円
移動平均法(簿記3級)
移動平均法は下記のように求めます。
(1)1/8 35個払い出したとき
払出単価:
(2,000+4,400)円÷(20+40)個=@107円
払出金額:
@107×35個=3,745円
1/8時点の残高
- 40-15個=25個(@110)
- 受入(2,000+4,400)-払出(3,745)=2,655円
(2)1/27 50個払い出したとき
払出単価:
(2,655+850+2,850)円÷(25個+10個+30個)=@98円
払出金額:
@98×50個=4,900円
総平均法(簿記2級)
総平均法は下記のように求めます。
(1)1/8 35個払い出したとき
当月の払出単価:
(2,000+4,400+850+2,850)円÷(20+40+10+30)個=@101円
払出金額:
@101×35個=3,535円
(2)1/27 50個払い出したとき
総平均法のため、上記と同じ払出単価を求めます。
払出単価:
→@101
払出金額:
@101×50個=5,050円
先入先出法・平均法のメリット・デメリット
先入先出法と平均法のメリット・デメリットについては
下記で詳しく解説しております。
まとめ
今回は商品の払出単価の求め方について解説しました。
要点をまとめると下記になります。
【先入先出法】
先に受け入れた商品から払い出す方法
【移動平均法】
商品の受け入れのつど、平均単価を計算してその平均単価を払出単価とする方法
【総平均法】
一定期間における、平均単価を計算してその平均単価を払出単価とする方法
※一定の期間とは1ヶ月・1年などの期間を用いる
上記の他に「個別法」「最終仕入原価法」という方法もあります。
↓個別法・最終仕入原価法については下記をご参照ください。
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