今回は固定資産の滅失について解説します。
「固定資産の滅失」は簿記2級の試験範囲になります。
[保険を掛けている場合]と[掛けていない場合]の仕訳処理について紹介します。
固定資産の滅失とは?
「固定資産の滅失」とは、災害などで固定資産が失われることです。
※廃棄は自らの意思で捨てること、滅失は災害によって失われることになります。
滅失による損失は「災害損失(特別損失)」で計上します。
※火災による損滅失であれば「火災損失(特別損失)」になります。
また保険を掛けている場合は後に保険金が入ってくるので
一旦「未決算(資産)」という勘定科目で計上します。
①保険を掛けていない場合
→災害損失(または火災損失)
②保険を掛けている場合
→未決算
固定資産の滅失の仕訳方法
固定資産の滅失の仕訳方法について解説します。
保険を掛けていない場合
(解答)
建物減価償却累計額 | 1,000,000 | / | 建物 | 2,400,000 |
減価償却費 | 80,000 | / | ||
火災損失 | 1,320,000 | / |
X2年4-11月の当期の減価償却費
→2,400,000÷20年×8ヶ月/12=80,000
貸借差額1,320,000円を火災損失(または災害損失)で計上します。
保険を掛けていない場合は
帳簿価額を火災損失で計上します。
保険を掛けている場合
X2年11月31日に建物(取得原価2,400,000・減価償却累計額1,000,000・耐用年数20年・残存価額0)が火災により焼失した。この建物に保険は掛けている。また間接法・定額法により毎年3月に減価償却している。
(解答)
建物減価償却累計額 | 1,000,000 | / | 建物 | 2,400,000 |
減価償却費 | 80,000 | / | ||
未決算 | 1,320,000 | / |
X2年4-11月の当期の減価償却費
→2,400,000÷20年×8ヶ月/12=80,000
貸借差額1,320,000円を未決算(資産)で計上します。
保険を掛けている場合は
帳簿価額を未決算で計上します。
保険金額が確定したとき
未決算でしたあと、保険金額が確定したら未収入金へ振り替えます。
また未決算と確定した保険金額の差額は下記のような勘定科目で計上します。
①未決算>保険金額
→災害損失(または火災損失)
②未決算<保険金額
→保険差益(特別利益)
(解答)
未収入金 | 1,100,000 | / | 未決算 | 1,320,000 |
火災損失 | 220,000 | / |
未決算(資産)を減少させ、保険金1,100,000を未収入金で計上します。
貸借差額220,000円を火災損失(または災害損失)で計上します。
借方に差額が出ていれば火災損失(または災害損失)になります。
(解答)
未収入金 | 1,500,000 | / | 未決算 | 1,320,000 |
/ | 保険差益 | 180,000 |
未決算(資産)を減少させ、保険金1,500,000を未収入金で計上します。
貸借差額180,000円を保険差益(特別利益)で計上します。
貸方に差額が出ていれば保険差益になります。
保険金を受け取ったとき
(解答)
普通預金 | 1,500,000 | / | 未収入金 | 1,500,000 |
保険会社から保険金を受け取ったら、未収入金から現預金へ振り替えます。
まとめ
今回は固定資産の滅失について解説しました。
まとめると下記のようになります。
【保険を掛けていない場合】
→災害損失(または火災損失)
【保険を掛けている場合】
→未決算
・保険金額が確定したとき
①未決算>保険金額
→災害損失(または火災損失)
②未決算<保険金額
→保険差益(特別利益)
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