日商簿記2級

外貨建取引の仕訳方法|掛け取引の為替換算【簿記2級】

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「外貨建取引」は2017年度より日商簿記2級の試験範囲となりました。

今回は「外貨建取引」の基本知識および掛け取引による仕訳方法について解説します。

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外貨建取引とは?

外貨建取引」とは海外の取引先など外貨(外国の貨幣)で行う取引のことです。

補足

外貨建取引は日商簿記1級の試験範囲でした。

しかし、企業活動によるグローバル化は年々進んでおり、大企業に限らず中小企業も海外取引を行うことが多くなってきました。

そのため2017年度より日商簿記2級の試験範囲へ変更となりました。

海外取引のため外貨で購入・販売しますが

帳簿では円貨へ換算する必要があります。

このように外貨→円貨へ変更することを為替換算といいます。

「換算」とはある単位で表した数量を、別の単位の数量に数えなおすことです。

外貨建取引の換算による会計処理を「外貨換算会計」といいます。

外国為替相場とは?

外貨→円貨へ為替換算する際は、外国為替相場(為替レート)をもって換算します。

  • 1ドル=110円
  • 1ドル=100円

など為替レートは日々変動します。

外貨建取引は原則、取引発生時(HR)の為替相場で換算します。

補足

外貨換算会計では、取引発生時・決算時・期中平均といった為替相場を用います。

この3つは下記のように省略することがあります。

  • 取引発生時HR(ヒトリカル・レート)
  • 決算時CR(カレント・レート)
  • 期中平均AR(アベレージ・レート)

掛けによる外貨建取引の仕訳

外貨建取引の掛けによる仕訳について解説します。

輸入時・輸出時

例題(輸入時)

1月10日、当社はアメリカのA社から100ドルの商品を輸入した。代金は掛けとする。

取引時の為替相場は1ドル=100円である。

仕入10,000/買掛金10,000

100ドル×@100=10,000

例題(輸出時)

1月10日、当社はアメリカのB社へ150ドルの商品を輸出した。代金は掛けとする。

取引時の為替相場は1ドル=90円である。

売掛金13,500/売上13,500

150ドル×@90=13,500

輸入は仕入、輸出は販売になります。

決済時

買掛金・売掛金などの決済時は

決済したの為替相場で換算します。

[輸出時・輸入時]と[決済時]の為替相場が異なる場合、

その差額は

為替差損(営業外費用)為替差益(営業外収益)で処理します。

また、仕訳の時は為替差損益の勘定科目で計上します。

例題(輸入の決済時)

1月20日、当社はアメリカのA社から100ドル(1ドル=100円)で掛けで輸入した商品を現金で支払った。

決済時の為替相場は1ドル=110円である。

買掛金10,000/現金11,000
為替差損益1,000/

決済時の金額:100ドル×@110円=11,000円

為替差損益(@100-@110円)×100ドル=1,000

補足

輸入時(1月10日):

100ドル×@100円=10,000

決済時(1月20日):

100ドル×@110円=11,000

→この為替相場の変動による差額1,000円を為替差損益で計上します。

掛け取引の場合、為替相場の変動により為替差損益が発生します。

例題(輸出の決済時)

1月20日、当社はアメリカのB社へ150ドル(1ドル=90円)で掛けで輸出した商品の代金を現金で受け取った。

決済時の為替相場は1ドル=95円である。

現金14,250/売掛金13,500
/為替差損益750

決済時の金額:150ドル×@95=14,250

為替差損益(@90-@95円)×150ドル=750

外貨建取引は取引発生時(HR)の為替相場で換算

外貨建取引は原則、取引発生時(HR)の為替相場で換算します。

取引発生時(HR)とはその時点の為替相場になります。

例えば
  • 1月10日に輸入取引が発生すれば、
    1月10日時点の為替相場(為替レート)で換算します。
  • 1月20日に掛けの代金を支払えば、
    1月20日時点の為替相場(為替レート)で換算します。

※[掛けの支払い]の為替換算で[輸入時]の為替レートを使用しないように注意しましょう。

使用するのは[掛けの支払い時]のレートになります。

上記のように掛け取引の場合

[輸入時][決済時]のそれぞれの為替相場が異なります。

この差額により為替差損益が発生します。

輸入時仕入10,000/買掛金10,000
決済時買掛金10,000/現金11,000
為替差損益1,000/

上記の仕訳のように決済完了すれば輸入時に計上された買掛金も相殺され残高0となります。

その時点の為替相場のことを「直物為替相場」といいます。

まとめ

外貨建取引の会計処理である外貨換算会計について解説しました。

要点をまとめると下記のようになります。

【外貨建取引】

  • 海外取引は外貨で取引されるが、帳簿では円貨へ換算する必要がある。
  • 外貨建取引は原則、取引発生時(HR)の為替相場で換算する。
  • 取引発生時(HR)とはその時点の為替相場になる
  • そのため、[輸入時]と[決済時]で為替相場が異なることがある。
  • この差額は「為替差損益」で調整する。

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