日商簿記2級日商簿記3級

「電子記録債権」について【簿記2級・3級】

日商簿記2級
この記事は約5分で読めます。
Pocket

電子記録債権」は紙である手形を電子化したものです。

元々日商簿記1級の範囲でしたが、

2016年度には簿記2級の試験範囲2019年度には簿記3級の試験範囲へ変更となりました。

※電子記録債権の(裏書)譲渡、割引は日商簿記2級の試験範囲になります。

今回は「電子記録債権」について解説していきます。

スポンサーリンク

「電子記録債権」とは?

電子記録債権」は紙である手形を電子化したものです。

略して「でんさい」とも呼ばれております。

電子債権記録機関」に必要事項を電子記録することで発生する債権を電子記録債権といいます。

電子記録債権は、手形のデメリットを補ったものです。

以下が手形と比べた場合の電子記録債権のメリットになります。

電子記録債権のメリット
  • 電子なので紛失・盗難のリスクがない。
  • 封入や郵送などの手続きがない。
  • 印紙税がかからない。(手形では印紙が必要)
  • 債権の分割も可能(手形の場合、一部裏書きのようなことができない)

この利便性が評価され手形に代わる決済手段として普及が進んでおります。

このように普及が進み実務でも扱うことが増えてきたため、

日商簿記1級→3級へ試験範囲が変わりました。

約束手形の解説は下記をご参照ください。

「電子記録債権」の仕組み

電子記録債権は、電子債権記録機関という機関のコンピューターに記録し、相手側がそれに了解することで電子記録債権およびで電子記録債務が発生します。

電子記録債権の発生方式は2パターンあります。

  • 債務者請求方式:債権者からの申し出により登録する場合。
  • 債権者請求方式:債権者からの申し出により登録する場合。この場合は債務者の同意が必要となる。

「電子記録債権」は仕訳処理

「電子記録債権」は手形を電子化でしたものと説明しました。

大まかな流れは手形と同じで、勘定科目は下記のように変わります。

  • 「受取手形(資産)」 →「電子記録債権(資産)」
  • 「支払手形(負債)」→「電子記録債務(負債)」
  • 「手形売却損(費用)」→「電子記録債権売却損(費用)」

例①

例題

A社は、B社に対する買掛金200円の支払いを電子債権記録機関で行うため、取引銀行を通して債務の発生記録を行った。B社は取引銀行よりその通知を受けた。

(A社の仕訳)

買掛金200/電子記録債務200

※買掛金(負債)が減少し、電子記録債務(負債)が増加します。

(B社の仕訳)

電子記録債権200/売掛金200

※売掛金(資産)が減少し、電子記録債権(資産)が増加します。

例②

例題

電子債権記録機関に発生記録した債務200円の支払期日が到来した。当座預金にてそれぞれ、引き落とし及び受け取った。

(A社の仕訳)

電子記録債務200/当座預金200

※電子記録債務(負債)が減少し、当座預金(資産)が減少します。

(B社の仕訳)

当座預金200/電子記録債権200

※電子記録債権(資産)が減少し、当座預金(資産)が増加します。

勘定科目が変わっただけで、手形と同じ仕訳処理になります。

「電子記録債権」で譲渡・割引きが発生した場合の仕訳

※こちらは日商簿記2級の範囲になります。

例③譲渡した場合

例題

C社は、D社に対する買掛金150円の支払いを電子債権記録機関で行うため、取引銀行を通して電子記録債権の譲渡記録を行った。

(C社の仕訳)

買掛金150/電子記録債権150

※電子記録債権を譲渡したため電子記録債権(資産)の減少→貸方

買掛金(負債)の減少→借方

(D社の仕訳)

電子記録債権150/売掛金150

売掛金の回収として電子記録債権を受け取るため

電子記録債権(資産)が増加→借方

売掛金(資産)が減少→貸方

例④割引きした場合

例題

D社は、電子記録債権のうち150円を銀行で割り引き、割引料30円が差し引かれた残額が当座預金口座へ振り込まれた。

(D社の仕訳)

当座預金120/電子記録150
電子記録債権売却損30/

※電子記録債権売却損は営業外費用となります。

貸付金・借入金に係る電子記録債権

手形による貸付金の場合、「手形貸付金」という勘定科目を用いますが

電子記録債権による貸付金は「貸付金」を用います。

電子記録債権は用いないので注意しましょう。

例題

A社(貸主)はB社(借主)に金銭消費貸借契約により現金500円を貸し付けた。

(A社の仕訳)

貸付金(資産)500/現金500

貸付金(資産)が増加→借方

現金(資産)の減少→貸方

(B社の仕訳)

現金500/借入金500(負債)

借入金(負債)が増加→貸方

現金(資産)の増加→借方

例題

A社のB社に対する貸付金500円を電子記録債権に変更した

(A社・B社の仕訳)

※仕訳なし

貸付金の電子記録債権は「貸付金」で処理するため、電子記録債権に振り替える必要はありません。

借入金も同様です。

まとめ

以上が「電子記録債権」の解説になります。

勘定科目だけ変わっただけで、仕訳方法は手形とほとんど変わりません。

今後、手形よりも電子記録債権の普及が進んできますので覚えておきましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました