日商簿記3級

手形の割引き【簿記3級】

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今回は「手形の割引き」について解説します。

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手形の割引きとは?

手形の割引きとは、受取手形を支払期日よりも前に現金に換金することをいいます。

手形は支払いに対して強制力がありますが、

取引日から支払期日までの期間が長いというデメリットがあります。

そこで支払期日前に銀行などの金融機関へ買い取ってもらうことができます

これが「手形の割引き」です。

通常掛け取引では、支払サイトは1-2ヶ月が主ですが、手形の場合3ヶ月以上ということもあります。

ただし、買い取るには一部手数料・利息として割り引かれます

そのため「割引き」と呼んでおります。

この銀行などの金融機関へ支払う手数料や利息を「割引料」といいます。

例えば

例えば受取手形100万を、支払期日前に銀行等へ持っていった場合

割引料3万引かれ、残り97万が受け取ることができます。

「手形割引」は手数料が差し引かれますが、すぐに現金化できるのがメリットです。

手形の割引きの仕訳処理

手形割引きによる割引料は、「手形売却損(費用)」 という勘定科目を用います。

手形売却損」は営業外費用になります。

例①

例題

A社はB社へ商品100円を販売し、代金として約束手形で受け取った。

受取手形100/売上100

例②

例題

A社はB社から受け取った約束手形を、支払期日前に銀行へ持ち込み、割引料10円差し引いた金額で入金された。

当座預金90/受取手形100
手形売却損10/

※「手形額面金額100円」と「手取金額90円」の差額10円は手形売却損(費用)になります。

割引料は「費用」として計上されます。

また、「手形売却損」は消費税法上、非課税取引となります。

仕入税額控除の対象にはなりません。

課税取引にしないように注意しましょう。

実際、「割引料」ってどれくらい差し引かれるのか?

手形の割引料の相場について解説します。

手形の割引は融資の一種です。

そのため割引率は通常の借り入れで言う金利に相当すると言われています。

手形の金額や金融機関によって異なりますが、手形割引率(年利は大まかには下記のようになります。

  • 銀行・・1-3%程度
  • 信用金庫・・2-5%程度
  • それ以外・・5-20%程度

計算方法

手形割引料の計算方法は、下記になります。

  • 手形割引料=手形額面金額×手形割引率(年利)×支払期日までの日数/365日
  • 手形割引手数料(手形売却損)=手形割引料+取立手数料

手形割引率は年利のため、365日で割った後に日数を掛けて計算します。

具体例を出して下記で解説します。

例題

例題

手形額面1,000万円、手形割引率5%、支払期日までの日数60日、取立手数料550円の場合、

「手形売却損」および「手取額」は?

(解説)

  • 手形売却損
    82,742円
  • 手取額
    99,917,258円

手形割引料=手形額面金額1,000万円×手形割引率(年率)5%×支払期日までの日数60日/365日

82,192円

手形割引手数料(手形売却損)=手形割引料82,192 + 取立手数料550円

82,742円

つまり、「手形売却損」となる金額は82,742円となり

手取額は10,000,000-82,742=99,917,258円となります。

実務では、このように細かい数字になりますが、この計算は金融機関が計算するので細かく覚える必要ありません。また金融機関によって計算方法も少し異なる場合もあります。

まとめ

以上が「手形の割引き」の解説になります。

支払期日まで待っていた方が満額入金されるので、割引きすることは通常ありませんが、資金繰りの観点から入金を早めたいという場合に行う手段となります。

また、手形売却損は非課税取引となりますので、注意しましょう。

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