日商簿記2級

「手形の更改」について【簿記2級】

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手形の更改」とは皆さんご存じでしょうか。

手形の更改は、不渡りを起こしそうな企業が不渡りを起こさないための対処法とも言えます。

今回はこの「手形の更改」について解説していきます。

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そもそも「更改」ってなに?

「更改(こうかい)」という言葉を初めて聞いたという人も多いのではないでしょうか。

更改」とは既存の契約を異なる新しい契約等に変えることになります。

これは簿記用語でも経理用語でもありません。民法にも出てくる用語で法律関係のお仕事をされている方であれば、聞いたことがあると思います。

「手形の更改」とは?

更改は既存の契約を異なる新しい契約等に変えることと説明しましたが、「手形の更改」も同じ意味です。

手形の契約について既存の契約を異なる新しい契約等に変えることです。

別の記事で「不渡り」について説明しました。

債務者が手形の支払期日を過ぎても決済できない状態を「不渡り」といいます。

↓「不渡り」の詳しい解説はこちらになります。

6ヶ月の間に「不渡り」を2回起こすと、会社の信用力が落ち、銀行取引停止処分となってしまいます。(1回でも起こせば信用取引は今後出来なくなると思ってもよいでしょう。)

会社としては、「不渡り」を起こすわけにはいきませんが、資金繰り上どうしても会社の資金が足りず手形の決済(支払い)ができない場合があります。

この場合に行うのが「手形の更改」です。

手形所有者の了承を得て、支払期日を延長した新しい手形を振り出し、既存の手形と交換することです。

ようするに手形の更改」とは支払期日を延長してもらうということになります。

当然延長することによって利息は発生します。

では具体的な仕訳の処理方法について解説していきます。

「不渡り」を起こさないために「手形の更改」があると覚えておきましょう。

「手形の更改」の仕訳処理

「手形の更改」によって発生した利息は「支払利息」または「受取利息」で計上します。

支払利息は営業外費用、受取利息は営業外収益になります。

例①

例題

A社は、B社に振り出した約束手形100円について、B社の了承を得て、手形の更改をした。これに伴う利息は10円である。利息は現金で支払うとする。

利息について、「現金で支払う」場合は下記になります。

(A社の仕訳)

支払手形100/支払手形100
支払利息10/現金10

(B社の仕訳)

受取手形100/受取手形100
現金10/受取利息10

利息を現金で支払う場合、振替後の手形の金額は変わりません。

例②

例題

A社は、B社に振り出した約束手形100円について、B社の了承を得て、手形の更改をした。これに伴う利息は10円である。利息は新しい手形の額面に含めるとする。

利息について、「新しい手形の額面に含める」場合は下記になります。

(A社の仕訳)

支払手形100/支払手形110
支払利息10/

(B社の仕訳)

受取手形110/受取手形100
/受取利息10

利息を新しい額面に含めた場合、利息分が新しい手形に加算されます。

※100+10=110円

まとめ

以上が手形の更改の解説になります。

更改と聞くと難しそうですが、仕訳自体はそこまで難しい内容ではありません。

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