今回は日商簿記3級で学習する
【給料の仕訳】について解説します。
人件費で用いる給料の総額は
「給料」という勘定科目で処理します。
「給料」とは?
「給料」とは従業員に支払われる報酬になります。
「給料」は費用となります。
しかし、この給料は全額、従業員に支払うわけではありません。
給与から「源泉所得税」「社会保険料」などが天引きされた金額が支払われます。
給料から控除されて支払われる額が「手取り額」になります。
「立替金」とは?
「立替金」は取引先が負担すべき費用を支払った場合に用います。
これが従業員が負担する費用であれば
「従業員立替金」を用います。
「立替金」「従業員立替金」は資産となります。
会社の費用ではないが、会社が立て替えて支払い、後日受け取る権利が「立替金」となります。
↓立替金は給与の仕訳以外でも発生します。下記もご参照ください。
「預り金」とは?
「預り金(負債)」は他人から預かっているお金で、
後日、第三者へ支払う場合に用います。
「預り金」は負債となります。
会社員が給料を支払われる時、
「源泉所得税」「社会保険料」などが差し引かれて支払われます。
これは後日、税務署などの納付先に支払います。
日商簿記3級では預り金の勘定科目は下記を用います。
【預り金の勘定科目】
- 源泉所得税の預り金
→所得税預り金(負債) - 社会保険料の預り金
→社会保険料預り金(負債)
「社会保険料」の中には健康保険料・厚生年金・雇用保険などが含まれております。
↓「源泉所得税」については下記で詳しく解説しております。
↓「社会保険料」については下記で詳しく解説しております。
「法定福利費」とは?
社会保険料は、従業員から預かった金額と同額で会社も負担します。
この会社負担の社会保険料は
法定福利費という勘定科目を用います。
「法定福利費」は費用となります。
給料の仕訳(日商簿記3級)
給料の仕訳についてを例題を用いて解説します。
用いる勘定科目は下記になります。
給料・従業員立替金・預り金・法定福利費
例題①
従業員立替金 | 10,000 | / | 現金 | 10,000 |
会社が負担する保険料であれば、支払保険料(費用)になりますが、
従業員の保険料を立て替えて会社が支払っているため、
「従業員立替金(資産)」を用います
例題②
給料 | 200,000 | / | 現金 | 160,000 |
/ | 従業員立替金 | 10,000 | ||
/ | 所得税預り金 | 5,000 | ||
/ | 社会保険料預り金 | 25,000 |
※生命保険料は例題①で支払っているので
「従業員立替金(資産)」の減少で処理します。
所得税・社会保険料は後日、税務署などに支払うため
支払うため「預り金(負債)」で処理します。
【預り金の勘定科目】
- 源泉所得税の預り金
→所得税預り金(負債) - 社会保険料の預り金
→社会保険料預り金(負債)
「給料」から控除される金額が預り金になります。
また、既に支払っている場合は立替金の減少になります。
例題③
所得税預り金 | 50,000 | / | 現金 | 50,000 |
例題②で預かった源泉所得税を支払うため、
「所得税預り金」を減少させます。
例題④
社会保険料預り金 | 25,000 | / | 現金 | 50,000 |
法定福利費 | 25,000 | / |
例題②で預かった社会保険料を支払うため、
「社会保険預り金」を減少させます。
さらに会社負担の社会保険料を支払うため、
この会社負担の社会保険料は
法定福利費(費用)で処理します。
会社負担の社会保険料は、従業員ではなく会社の費用のため
「法定福利費」という費用の勘定科目を用います。
まとめ
今回は日商簿記3級で学習する【給料の仕訳】について解説しました。
要点をまとめると下記になります。
【給料】※費用
従業員に対して支払う報酬のこと
【従業員立替金】※資産
従業員が負担すべき費用を会社が代わりに支払った場合に用いる。
【預り金】※負債
従業員から一時的に預かって、後日第三者に支払う時に用いる。
- 源泉所得税の預り金
→所得税預り金(負債) - 社会保険料の預り金
→社会保険料預り金(負債)
【法定福利費】※費用
社会保険料は、従業員から預かった金額と同額で会社も負担します。
この会社負担の社会保険料は、法定福利費という勘定科目を用いる。
↓「源泉所得税」については下記で詳しく解説しております。
↓「社会保険料」については下記で詳しく解説しております。
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