今回は「株主資本の計数変動」について解説します。
株主資本とは?
「株主資本」とは純資産のうち、株主に帰属する部分のことをいいます。
下記の図解の②が株主資本になります。
「その他有価証券評価差額」
や「新株予約権」は
株主に帰属するものではありません。
純資産からこれらを除いたのが
「株主資本」になります。
株主資本の計数変動
上記の株主資本の純資産項目の金額の変動を
「株主資本の計数変動」といいます。
例えば資本準備金を資本金へ振り替える等
株主資本の計数変動には下記のようなものがあります。
- 資本取引の項目内の振り替え
- 損益取引の項目内の振り替え
- 利益準備金から資本金への振り替え
- 繰越利益剰余金の欠損をてん補するための振り替え
①資本取引の項目内の振り替え
- 資本金⇔資本剰余金の振り替え
- 資本剰余金内の振り替え(資本準備金⇔その他資本剰余金)
②損益取引の項目内の振り替え
- 利益剰余金内の振り替え(利益準備金→繰越利益剰余金など)
③利益準備金から資本金への振り替え
- 利益剰余金→資本金へ振り替え
④繰越利益剰余金の欠損をてん補するための振り替え
- 資本金(または資本剰余金)→利益剰余金へ振り替え
※ただし、繰越利益剰余金がマイナスの場合のみ
欠損とは繰越利益剰余金がマイナスの状態のことをいいます。
例題
(1) | 資本準備金 | 2,000 | / | 資本金 | 2,000 |
(2) | 利益準備金 | 1,000 | / | 繰越利益剰余金 | 1,000 |
貸方→純資産の増加
株主資本の計数変動は問題文通りの振替仕訳を行います。
資本取引と損益取引
上記の説明の中に[損益取引]と[損益取引]という用語が出てきましたが
それぞれの意味は下記のようになります。
【資本取引】
→資本を直接変動させる取引
【損益取引】
→利益の変動が発生する取引
まとめ
今回は「株主資本の計数変動」について解説しました。
要点をまとめると下記のようになります。
- [株主資本の計数変動]は下記のようなものがある
- 資本取引の項目内の振り替え
- 損益取引の項目内の振り替え
- 利益準備金から資本金への振り替え
- 繰越利益剰余金の欠損をてん補するための振り替え
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