ファイナンス・リース「利息法」の仕訳処理について下記で解説しました。
今回は[期中取得]・[利払日と決算日が異なる場合]の仕訳方法について解説します。
ファイナンス・リースの要件
ファイナンス・リースの要件は下記の判定フローによって区分されます。
期中取得・利払日と決算日が異なる場合の仕訳方法
利払日と決算月が異なる場合は
経過勘定である[未払利息(負債)]または[前払利息(資産)]の計上が必要となります。
<利息の後払いと前払い>
利息を後払いしてる場合
→決算時に「未払利息」の計上が必要
利息を前払いしてる場合
→決算時に「前払利息」の計上が必要
利払日と決算月が同じ場合は、未払利息・前払利息の計上は不要となります。
利息が後払いの場合
利息を後払いしている場合の仕訳方法を解説します。
当期分の未支払いの利息は未払利息(または未払費用)で計上します。
(1)リース取引開始時
リース資産 | 277,510 | / | リース債務 | 277,510 |
所有権移転リースで、貸手の購入価額が判明しているので
リース資産(およびリース債務)は277,510円で計上します。
(2)決算時:未払利息
支払利息 | 4,625 | / | 未払利息 | 4,625 |
当期分の利息:
当期分のX1年11月1日からX2年3月31日の5ヶ月分の利息を計上します。
277,510×4%×5ヶ月/12=4,625円
(3)決算時:減価償却
減価償却費 | 23,126 | / | 減価償却累計額 | 23,126 |
当期分のX1年11月1日からX2年3月31日の5ヶ月分の減価償却費を計上します。
また所有権移転リースのため、リース期間でなく耐用年数5年で償却します。
277,510÷耐用年数5年×5ヶ月/12=23,126円
期中取得の場合は、減価償却費は月割りになるので注意しましょう。
利息が前払いの場合
利息を前払いしている場合の仕訳方法を解説します。
翌期分の支払い済みの利息は前払利息(または前払費用)で計上します。
(解説)
(1)リース取引開始時
リース資産 | 277,510 | / | リース債務 | 277,510 |
支払利息 | 11,100 | / | 現金 | 11,100 |
利息は前払いのため1年分の利息を支払います。
リース債務277,510×4%=11,100(1年分の利息)
※リース資産の算出方法は例題1と同じため省略します。
この時点で翌期分の支払利息も計上されてしまっています。
これを(2)で前払利息へ振り替えます。
(2)決算時:前払利息
前払利息 | 6,475 | / | 支払利息 | 6,475 |
翌期分の利息:
リース取引時に支払った1年分の支払利息11,100円のうち
翌期分のX2年4月1日からX2年10月31日の7ヶ月分を前払利息に振り替えます。
277,510×4%×7ヶ月/12=6,475円
(3)決算時:減価償却
減価償却費 | 23,126 | / | 減価償却累計額 | 23,126 |
※減価償却費の算出方法は例題1と同じため省略します。
まとめ
今回は、期中取得・利払日と決算日が異なる場合のリース取引の利息法の仕訳について解説しました。
利払日と決算日が異なる場合
→決算時に経過勘定である[未払利息]または[前払利息]で計上する
期中取得
→利息や減価償却費は月割りで計上する。
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