今回は【貸付金・借入金」の仕訳について解説します。
「貸付金」「借入金」とは?
- 貸付金とは、お金を貸すこと
- 借入金とは、お金を借りること
企業は資金に余裕があると、取引先にお金を貸すことがあります。
貸したお金は後日、利息とともに回収します。
その逆で、資金に不足する場合は、取引先からお金を借りる場合があります。
借りたお金は後日、利息とともに返済します。
貸付金は「資産」
お金を貸すことで
後にお金を返済してもらえる権利が発生します。
そのため貸付金は「資産」になります。
借入金は「負債」
お金を借りることで
後にお金を返済する義務が発生します。
借入金は「負債」になります。
「貸付金」「借入金」の仕訳処理
取引先にお金を貸すことを「貸付金(資産)」
取引先にお金を借りることを「借入金(負債)」といいます。
例題1
(A社の仕訳)
貸付金(資産) | 100 | / | 現金 | 100 |
※現金を貸すことで減少し、それに伴い貸付金(資産)が増加します。
(B社の仕訳)
現金 | 100 | / | 借入金(負債) | 100 |
※現金を借りることで増加し、それに伴い借入金(負債)が増加します。
例題2
(A社の仕訳)
現金 | 110 | / | 貸付金 | 100 |
/ | 受取利息 | 10 |
貸付金(資産)が減少し貸方へ、現金(資産)が増加し借方で計上します。
※利息含めた金額(100+10=110円)の現金を受け取ります。
(B社の仕訳)
借入金 | 100 | / | 現金 | 110 |
支払利息 | 10 | / |
借入金(負債)が減少し借方へ、現金(資産)が減少し貸方で計上します。
受取利息は収益、支払利息は費用で、どちらもPL科目になります。
「利息」の計算方法
「利息」の計算は、年利率と貸付(または借入)の期間によって計算します。
「年利率」は1年貸した(あるいは借りた)場合の利率です。
また利息を支払う場合は「支払利息(費用)」
利息を受け取る場合は「受取利息(収益)」で処理します。
例題1
「月割り」で利息を計算する場合の問題です。
借入金 | 1,000 | / | 普通預金 | 1,025 |
支払利息 | 25 | / |
※「支払利息」の求め方
1,000×5%×6ヶ月/12 =25円
利息の計算は月割りではなく、日割りで計算することもあります。実務では日割りで計算することが主となります。
例題2
「日割り」で利息を計算する場合の問題です。
借入金 | 7,300 | / | 普通預金 | 7,360 |
支払利息 | 60 | / |
※「支払利息」の求め方
7,300×5%×60日/365 =60円
長期貸付金・長期借入金
「貸付金」「借入金」の貸借対照表における表示については「1年基準」が適用されます。
「1年基準」とはワンイヤールールとも呼ばれ、
決算月の翌日から1年以内の回収(または返済)期限が到来するものを流動資産(または負債)で
1年越えのの回収(または返済)期限が到来するものを固定資産(または負債)と表示します。
- 1年以内・・・「貸付金(流動資産)」「借入金(流動負債)」
- 1年越え・・・「長期貸付金(固定資産)」・「長期借入金(固定負債)」
例題1
長期貸付金 | 700 | / | 貸付金 | 700 |
※貸付金(流動資産)を減少し、長期貸付金(固定資産)を増加させる。
※1年越えは1000(全額)-300(1年以内)=700円
例題2
貸付金 | 300 | / | 長期貸付金 | 300 |
※長期貸付金(固定資産)を減少し、貸付金(流動資産)を増加させる。
例①②の仕訳後の残高は
貸付金300円(1年以内)
長期貸付金700円(1年越え)になります。
また、経理の実務の話になりますが会社によっては「貸付金」「借入金」を「短期貸付金」「短期借入金」と表示しています。
長期⇔短期のような表示科目を振り替える仕訳を「長短振替」と呼んていたりします。
まとめ
以上が「貸付金」「借入金」の解説になります。
期間が1年以内か1年超えによって、科目の表示が変わるので注意しましょう。
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