日商簿記3級

当座借越の仕訳【簿記3級】

日商簿記3級
この記事は約4分で読めます。
Pocket

今回は日商簿記3級で学習する【当座借越の仕訳】について解説します。

スポンサーリンク

普通預金と当座預金

まず預金の種類として

普通預金と当座預金の違いについて説明します。

それぞれの特徴を述べると下記になります。

【普通預金の特徴】

  • ATMによる預け入れや払い出しが出来る
  • 利息が付く
  • 銀行が破綻した場合、預金保険制度によって元本1,000万円まで保護される

【当座預金の特徴】

  • 手形や小切手での支払いできる
    (ATMによる預け入れや払い出しはできない)
  • 利息がつかない
  • 銀行が破綻しても、預金保険制度によって全額保護される。
    (普通預金は元本1,000万円まで保護される)
  • 引き出しの限度額がない
    (普通預金は個人は100万、法人は1000万まで)
  • 当座借越契約を締結している場合は、当座借越が利用できる。

当座借越とは、当座預金に関する契約になります。

当座借越とは?

当座借越とは何か?

当座借越とは一言で言えば

当座預金のマイナスになります。

当座借越契約を締結している場合は、

当座預金の残高を超えて、一定の金額まで小切手を振り出すことができます。

普通預金では小切手の振出は出来ません。

当座借越の具体例

具体例

預金残高100万円があったとして

120万円の小切手を振り出したとします。

この時、当座借越の契約をしていなかった場合、

残高不足で小切手を振り出すことはできません。

しかし、当座借越の契約をしている場合

預金残高を超える20万円を銀行が代わりに支払ってくれます。

この時、当座預金の残高がマイナス20万円になります。

預金残高100万円ー小切手の振出額120万円
振出後の残高△20万円

この当座預金のマイナスが「当座借越」になります。

残高が足りない分を銀行が一時的に立て替えてくれます。これが当座借越です。

当座借越は「負債」

当座借越は「負債」に該当します。

当座借越は当座預金のマイナスになりますが、

銀行が代わりに支払ってくれるということで

銀行からの借入金(負債)のようなイメージになります。

当座借越の仕訳

次に当座借越の仕訳について説明します。

当座預金残高を超えて小切手を振り出す時

例題1

仕入先Aに対する買掛金120円を支払うため小切手を振り出した。

当社の預金残高100円である。

また取引銀行とは限度額200円の当座借越契約を締結している。

買掛金120/当座預金120

買掛金の支払いとして、買掛金を減少させます。(借方)

当座預金の減少させます。(貸方)

この時、当座預金の残高は△20円となります。

※100-120=△20円

この時、当座預金の残高はマイナスとなります。

決算時の仕訳

例題2

決算時に当座預金の残高が20円の貸方残高となっていた。

当座預金
(資産)
20/当座借越
(負債)
20

または

当座預金
(資産)
20/借入金
(負債)
20

当座預金の貸方残高を0にするため

当座預金(資産)を増加させます。(借方)

その相手勘定科目が当座借越(負債)になります。

また、当座借越(負債)ではなく、借入金(負債)へ振り替える場合もあります。

当座借越・借入金、どちらで処理するかは問題文の指示にしたがってください。

翌期首の仕訳

例題3

上記の決算仕訳について、翌期首で再振替仕訳をおこなった。

当座借越
(負債)
20/当座預金
(資産)
20

または

借入金
(負債)
20/当座預金
(資産)
20

再振替仕訳により、決算仕訳の逆仕訳を行います。

【再振替仕訳】とは

決算時におこなった仕訳を翌期首で逆仕訳を行うことです。

まとめ

今回は【当座借越の仕訳】について解説しました。

要点をまとめると下記になります。

  • 当座借越とは、当座預金の残高を超えて、一定の金額まで小切手を振り出すこと
  • 決算時に当座預金のマイナスを当座借越(負債)または借入金(負債)へ振り替える。

コメント

タイトルとURLをコピーしました